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出産手当金・育児休業給付などは非課税です〜共働きでも配偶者控除が使える場合も〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

共働きの夫婦は年々増えており、2018年では1219万世帯とここ30年弱で倍近い数字になっています。

図表:独立行政法人労働政策研究・研修機構より

ちなみに、我が家も共働きです。

共働き世帯では「配偶者控除」は無関係と思われがちですが、出産・育児の期間は配偶者控除の対象となる場合があります。

その理由は、出産一時金や育児休業給付などは非課税だからです。

ここでは、年の途中から産休・育休に入った場合の配偶者控除について解説します。

*正確には「配偶者控除」と「配偶者特別控除」がありますが、この記事ではまとめて「配偶者控除」と記載しています。

非課税となる出産・育児手当など

健康保険や雇用保険に加入している方(一般的な会社員であれば該当します)が出産や育児休暇を取得すると、一定額の給付を受けることができます。

しかし、これらの給付は所得税が非課税となっているため、配偶者控除の判定で使う所得には含まれません。

非課税となるものは

・出産育児手当金

・出産一時金

・育児休業給付

です。

産休・育休中は配偶者控除の検討をお忘れなく

フルタイムでの共働き夫婦の場合、通常であれば配偶者控除を適用することはありません。

しかし、年の途中から産休・育休に入る場合、配偶者控除の適用を受けられる場合があります。

その条件は「配偶者の年間の給与が2,015,999円以下」です。

ただし、旦那さんの給与が1,220万円を超える場合は配偶者控除が受けられませんので、その場合は控除はありません。

配偶者控除の金額は、旦那さんの収入と奥さんの収入を次の表にあてはめて計算します。

もう少し具体的に見てみましょう。

①月収30万円の配偶者が3月から産休に入った場合

この場合、お給料の収入は1月〜3月の90万円となるため、配偶者控除の適用を受けることができます。

②月収30万円の配偶者が10月から産休に入った場合

この場合、お給料の収入は1月〜9月の270万円となるため、配偶者控除の適用を受けることができません。

配偶者控除の適用を受ける場合の手続き

奥さんの状況を確認し、年間のお給料が2,015,999円以下であれば配偶者控除の対象となります。

ただし、配偶者控除の対象であっても、お給料が①150万円以下の場合と②150万円超の場合で取るべき手続きが少し異なります。

奥さんの年間収入が150万円以下であれば、扶養控除申告書と配偶者控除等申告書の2つの書類への記入が必要です。

一方で、150万円を超える場合は、配偶者控除等申告書への記入のみで大丈夫です。

奥さんの年間収入扶養控除申告書配偶者控除等申告書
150万円以下必要必要
150万円超不要必要

記入するタイミングですが、

扶養控除等申告書:奥さんが配偶者控除を受けることが分かったタイミング

配偶者控除等申告書:年末調整のタイミング

となります。

①扶養控除申告書の記入

まず、確認すべき書類は旦那さんの「扶養控除申告書」です。

前年の年末に勤務先に提出している書類ですが、配偶者控除の適用を受ける前提で記載しているかを確認する必要があります。

前年に記載した書類を確認し、扶養控除申告書の「源泉控除対象配偶者」の欄に記入がなければ追加で配偶者の情報を記入しましょう。

情報に変更があれば、年の途中に追記しても問題ありません。

これは旦那さんの月々のお給料から引かれる源泉所得税の金額に影響する書類です。

「源泉控除対象配偶者」の欄に記入すると、扶養親族が1人増えることになり、毎月のお給料から源泉徴収される金額が少し少なくなります。

②配偶者控除等申告書の記入

配偶者控除の適用を受ける場合、年末調整の際に「配偶者控除等申告書」の記入が必要です。

前年に配偶者控除を受けていない場合は、今までこの書類を作成していないと思いますので、記入忘れがないように注意してください。

次の書類に旦那さんと奥さんの収入・所得などの情報を記入して、配偶者控除の金額を計算します。

配偶者控除等申告書の詳しい記載方法はこちらで解説していますのでご覧ください。

参考 配偶者控除等申告書の書き方まとめ〜配偶者控除の基本と気を付けるべきポイント〜ソーシャル税理士金子尚弘のページ

まとめ

共働き夫婦であっても、奥さんが産休・育休に入ると配偶者控除の適用を受けられる場合があります。

(奥さんが産後すぐに復帰して、旦那さんが長期の育休を取得した場合も可能性があります)

産休前は配偶者控除を受けることはないため、配偶者控除のことは頭にないかもしれません。

しかし、産休・育休中は配偶者控除を受けられる場合があり、申告を忘れないように注意すべきです。

なお、今回の記事では夫婦ともに給与収入のみの場合を前提に説明していますが、副業などで会社以外からの収入がある場合はこちらの記事を参考にしてください。

参考 扶養は103万円?配偶者控除を正しく理解しようソーシャル税理士金子尚弘のページ

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