【イベント】みんなで事務処理dayを開催します

夫が支払った家賃は妻の個人事業の経費になるか?

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

個別相談やSNSなどでこんな質問を受けることがあります。

「夫名義で自宅の賃貸契約をしているんですが、妻の個人事業の経費にできるんでしょうか?」

自分の事業のお金で払った訳じゃないけど、そもそも家計は2人の共有のお金のような・・・

「一体どうすれば・・・?」と疑問に思われる方も多いと思います。

今回は夫名義の自宅家賃を妻の経費にできるか?について解説します。

(妻名義の自宅家賃を個人事業主の夫の経費にできるかについても結論は同じです)

夫名義で契約した自宅で妻が仕事をしたら経費になるか?

夫が会社員、妻が個人事業主という家庭もあると思います。

このような場合、夫が自宅の契約を結び家賃を支払っていることもあるでしょう。

結論としては、妻が仕事で使用した分だけ経費として処理できます。

もちろん、全額が経費になる訳ではなく、家事按分は必要になります。

家事按分って何?って方はこちらを参考にして頂ければ。

参考 自宅兼事務所や携帯電話など、仕事でもプライベートでも使うものは経費になる?ソーシャル税理士金子尚弘のページ

自分が支払っていないのに経費になる理由

当然ながら

・自分で支払ったもの

・仕事に関係するもの

が経費になることが原則です。

では、なぜ自分が支払っていないのに経費になるかと言うと、夫婦など生計が同じ親族については特殊な取り扱いがあるからなのです。

日本の所得税は基本的には個人単位で考えるので、自分が稼いだ売上は自分の売上として申告しますし、自分が支払った経費は自分の経費として申告することになります。

ただ、個人商店などは家族で商売をしていることも多いですよね。

こういった個人商店で、旦那さんが奥さんにお給料を払うとどうなるでしょうか。

家族であれば比較的自由にお給料を上下することもできますし、無制限に給与を経費として認めてしまうと夫婦で同程度の所得になるように給与を調整すれば家族全体の税金を少なくすることも可能になってしまいます。

(所得が高くなれば税率も上がるので、なるべく分散した方が税率が低くなります)

このような問題も生じますし、旦那さんが奥さんにお給料を支払ったとしても結果的には同じ家計に入るので、実質的には家族で一つの単位だよね、という考えも成り立ちます。

こういった家族で行う商売を念頭に置いて、個人単位ではなく家族単位で考える特例が設けられています。

ちなみに、条文としてはこんな感じです。

【所得税法56条】

居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む・・・事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る・・・計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る・・・金額の計算上、必要経費に算入する。

この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。 

パッと読んでも分からないですよね・・・

ざっくり説明すると

①:家族内で対価のやり取りがあった場合は、支払っても経費にならない

②:事業主以外が支払った経費であっても、事業主の経費となる

③:①で受け取った金額は、受け取った人の所得にはならない

という感じです。

具体例の方が分かりやすいと思うので、個人事業主である妻が夫に家賃を支払った(賃貸契約は夫)という場合に当てはめてみましょう。

この場合、

①妻が夫に家賃を支払ったとしても、妻は経費にできない

②夫が大家さんに支払った家賃は妻の経費になる

③夫が妻から家賃を受け取っても、夫の所得にはならない

ということになります。

なお、この取り扱いは実際に夫婦で家賃のやり取りをしなかった場合でも適用されます。

そのため、妻から夫に家賃を支払わなかったとしても、妻は家賃の一部を経費に計上することができます。

夫が支払った家賃の経理処理はどうすべきか?

夫が大家さんに支払う家賃は妻の事業用口座からは引き落とされないと思いますので「事業主借」の科目で処理をします。

例えば家賃10万円のうち経費になるのが1万円だとすると

借方科目金額貸方科目金額
地代家賃10,000円事業主借10,000円

となります。

事業主借って何?って方はこちらの記事を参考にして頂ければ。

参考 フリーランスは「事業主貸」と「事業主借」を理解して正しい経理処理をソーシャル税理士金子尚弘のページ

まとめ

このように夫が支払う家賃が妻の事業の経費になるというのは、所得税の特例的な考え方がベースにあるんですよね。

なかなか分かりにくい部分ですが、在宅で個人事業や副業を行う人も増えていますし、該当する方は参考にして頂ければ。

ほとんどの場合で家事按分が必要になりますので、こちらもお忘れなく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です