こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
ありがたいことに新規での顧問契約のお問い合わせをいただくこともあり、その際には提案書として関わり方や報酬の条件をまとめてお伝えしています。
その提案書に開業以来使っている言葉が「パートナシップ」と言う言葉です。
顧問税理士の提案でこんな言葉を使っている人がどれだけいるのか分かりませんが、私の中では大切にしている言葉であり、考え方です。
なぜ、税理士が「パートナーシップ」なのか
会計や税務の相談を受けるのは税理士であれば当たり前のことです。
私はそれだけでなく、お客様の経営理念やビジョンを共有してお話がしたいと言う思いを持っています。
そういった気持ちから「パートナーシップ」という言葉を使っていますし、パートナー型の関わり方をしたいと思っています。
パートナー型って何?と思われる方もいると思いますが、それは「相手の深い部分まで知る」ということなのかな、と考えています。
西村佳晢さんの『自分をいかして生きる』という本の中にこのような図が登場します。
*西村佳晢『自分をいかして生きる』P20の図を参考に金子が作成
「島は、海の上につき出た大きな山だ。下には見えない山裾がひろがっている。」
「他の誰かの仕事を目にした時、この島のような見える部分だけに注目する人と、その下の裾野のひろがりに想いを馳せる人がいる」
と著者の西村さんは書かれています。
私はお客様とお付き合いをする時に、島の裾野まで考える仕事をしたいな、と思う訳です。
例えば、島として海の上に出ているのは、会計数値だと思います。
しかし、その裾野には経営者や従業員の働きがあり、根底には経営理念があると思うんですよね。
私は、その裾野まで共有して数字を扱いたいと思うので、「パートナー」という言葉を使っています。
決算のみの依頼を受けない理由
私は、基本的には「決算のみ」という依頼は受け付けていません。
業界では「年イチ」と呼ばれたりしますが、決算の時だけ資料を受け取り、作業をするというスタイルです。
(例外として、顧問先の子会社のように親会社でコミュニケーションが取れているような場合は受け付けています)
数字への関心が低い会社の場合、一番安上がりな「年イチ」を選択して、決算間際に資料を送り、会計事務所が何とか仕上げるということも珍しくありません。
私は、独立して仕事をするにあたって「このようなスタイルの仕事はしない」と決めていました。
勤務時代にはいろいろな仕事を経験させていただきましたが、何ヶ月も前の数字を入力して残高を合わせると言う事は何とも言えない無力感に襲われるものです。
だって、いくらこの数字を合わせたところで結果は変わらないんだもん。
その会社の資金が減っていることぐらい預金の残高を見ればわかります。
決算月の預金残高を見て「赤字なんだろうなぁ」と思いながら過去の数字を作る作業の無力感と言ったら・・・
会社のビジョンも今後の話も全くできないまま、過去の数字を数ヶ月遅れで整理するということにあまり価値はないでしょう。
せっかく税理士に依頼するのであれば、深く付き合うことで価値も最大化するんじゃないか、と思ったりするのです。
まとめ
業績については「どんぶり勘定でもなんとなく分かるから大丈夫」と言う方もいらっしゃいますし、それも事実だと思います。
ただ、どんぶり勘定で「業績が悪そうだ」と思っていても有効な手立てを打っている方は少ないと思います。
早期に対策を打てている方は、数字という現実を受け止めている方です。
大企業であれば社内に経理・財務に精通した社員がいるので、自社で数字を整理し、対策を打つことができるでしょう。
しかし、中小企業やフリーランスはそうも行きません。
自社で全てを解決できないのであれば、定期的な数字の確認やその後の対策は外部のパートナーである税理士と行うのも選択肢の一つだと思います。
将来の話をする時に、税理士がその会社のビジョンや経営理念を共有していれば、有意義な話し合いになりますから、「パートナー型」の目線は大切だと思っています。
ちなみに、私の場合はパートさんを雇う程度の報酬からお受けしていますので、費用対効果を考えればメリットは大いにあると思いますよ。
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