こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
クレジットカードやキャッシュレス決済手段では、ポイント還元は基本のサービスですよね。
また、「抽選で○○円キャッシュバック」みたいなキャンペーンを目にすることもあります。
(PayPayはこれで一気に利用者を増やしましたよね)
ここではキャッシュバックの消費税の取り扱いについて解説していきますが、キャッシュバックの形態によって取り扱いが異なる場合があるので注意が必要です。
なお、キャッシュバックされた場合の会計処理については、こちらの解説記事を参考にして下さい。
参考 Pay Payでキャッシュバックされる場合の会計処理についてソーシャル税理士金子尚弘のページまた、キャッシュレス決済のポイント還元制度についてはこちらの記事で解説しています。
参考 キャッシュレス決済のポイント還元制度のまとめ〜会計処理も解説します〜ソーシャル税理士金子尚弘のページContents
クレジットカード会社などからのキャッシュバック・ポイント還元
クレジットカードによっては、利用額に応じてキャッシュバックやポイント還元のサービスがあります。
Suicaやmanacaなど交通系ICカードなどでのポイント還元も消費税の取り扱いとしては同じです。
これらのキャッシュバックやポイント還元の消費税の取り扱いは「不課税取引」(消費税対象外)となります。
理由としては、特定の買い物に対する値引きなどではないためです。
消費税が課税対象となる条件の一つに「対価性」があります。
クレジットカードなどのキャッシュバックは「何かを売買したから入金される」といったような明確な対価性はありません。
カード会社がサービスで入金してくれる性質なので「対価性」はないと判断され、消費税は「不課税取引」となります。
例えば、クレジットカードでキャッシュバック(500円)があった場合の処理は次のようになります。
*物品の購入時に(諸経費 / 未払金)として処理した上で、カード引き落とし時に仕訳をしている前提です。
【参考・個人事業主の場合】
事業とプライベート共用で使っているクレジットカードでキャッシュバックがあった場合は、事業割合に応じて雑収入と店主借で処理をすることになります。
例えば、500円のキャッシュバックがあり、使っているクレジットカードの事業とプライベートの比率が4:1だとします。
*会計ソフトによっては「店主借」は「事業主借」となっている場合がありますが、意味は同じです。
販売店やメーカーからのキャッシュバック
まれに、販売店やメーカーがキャッシュバックキャンペーンを行う場合があります。
例えば、「購入者が特定の商品を買って申し込みをすると、もれなく5,000円キャッシュバック」みたいなもの。
このような性質のものについては、「課税取引(仕入のマイナス)」として処理することになります。
(消費税法の用語では「仕入に係る対価の返還等」と言いますが、覚える必要は全くありません)
これは現金に限らず、商品券によるバックも同じ扱いです。
例えば、8万円の家電を購入して、5,000円のキャッシュバックを受けたとします。
この場合の処理は次のようになります。
購入したものが仕入となる場合
仕入に対するキャッシュバックであれば、仕入値引きとして処理をします。
・購入時
・キャッシュバック時
*貸方科目が「仕入」、消費税区分が「課税仕入」でも問題はありません
購入したものが仕入以外の場合
購入したものが仕入以外のものであれば、購入時に経費科目で処理をして、キャッシュバック時には経費科目のマイナスとして処理をします。
・購入時
・キャッシュバック時
まとめ
キャッシュバックやポイント還元については、ほとんどの場合「不課税取引」(消費税対象外)となります。
ただし、キャッシュバックの性格が特定の取引に紐付くような場合は課税取引(仕入返還や課税仕入のマイナス)となりますので注意が必要です。
また、現金や振込でのキャッシュバックだけでなく、
・クレジットカードの支払いに充当
・Pay Pay残高などでのキャッシュバック・ポイント還元
などもキャッシュバック分を処理する必要があります。
経理漏れがないようにきちんと処理をしておきましょう。
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