こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
「売上を減らそう」
そんなこと言われたらどう思います?
ビジネスの常識は「成長=正義」ですし、「現状維持は負けだ」と言われたり。
「売上アップの秘訣」とか「利益を増やす方法」とか「事業を拡大するには?」とか・・・
ビジネス書や経営本って大抵はこんな感じのタイトルなのに、「売上を減らそう」。
この本の著者は佰食屋の中村朱美さん。
佰食屋は読んで字の如く1日100食限定の飲食店。中村さんはその創業者であり、経営者。
すごいところは1店舗ではなく3店舗を展開しているというところ。
町の個人の食堂ではなく、社員もいて他店舗経営をしているんですよね。
売上を増やさない会社。その狙いや、意味はどんなところにあるんでしょう?
売上アップ・規模拡大と一線を画せるか
私は税理士なので飲食店とは事情は異なりますし、スタッフを雇っている訳ではありません。
私の場合、スタッフのマネジメントなどは必要ないので、会社経営の方の苦労とは比べ物にならないでしょうが・・・
・やらないことを決める
・売上の上限を決める
というのは、スモールビジネスを行う上では大切なことなんだろうな、と。少なくとも私の中では。
○千万円稼ぐぞ
とか
売上をもっと増やすぞ
みたいな同業者もいますし、それが悪いとは思いません。
価値観は人それぞれですし、物事の優先順位は違って当然です。
もちろん私だって一定の収入は必要ですが、際限なく稼ぎたいかというと、そういう訳でもなく。
少なくとも今の時期は家庭の時間もしっかり取りたいと思っているので、「連日夜まで仕事」みたいな業務量にならないようにしています。
泊まりの出張もありますし、夜に予定が入る日もありますが、出来るだけ18時までには家に帰り、夕食を作り、娘をお風呂に入れ…という生活をしています。
基本的に18時以降の予定がブロックされているので、受けられる仕事量もそれに合わせて決めていますし、自ずと効率的な業務運営をするようになります。
そうじゃないと仕事が終わらないので。
こういったスタイルで仕事をしようと決めたのは、独立と結婚や子どもを授かったタイミングが近かったからなんですよね。
もしガンガン仕事をするスタイルを選べば、家族との時間は激減してたでしょうね。
「親父の背中を見て育て」という考えを全て否定する訳ではないですが、それを免罪符に子育てに関わらないのは違うでしょ、と。
生き方を主体的に決める
どんな業界でも、業界の当たり前みたいなものがあります。
飲食店で言えば長時間労働やFL比率の上限、税理士業界も長時間労働や一人当たりの担当件数などでしょうか。
これらの常識に従い、売上増加や規模拡大を目指すのも一つでしょう。
税理士業界ならTKCに加盟して、顧問先拡大セミナーを受講して、とかでしょうか。
自分が望んでその道を進むなら良いですが、まわりがやっているからとか、誰かに言われたからやっているとしたら…
あなたは本当にそれで良いんでしょうか?
生きる上で仕事は一定のウェートを占めますし、働き方次第でプライベートの過ごし方も変わります。
つまり、働き方を考えるということは、生き方を考えることとニアリーイコールなんじゃないか。
独立した!と喜んでいても、実は生き方は夜の常識に囚われて気付けば多忙な日々で家庭の時間が取れない、なんて私は嫌です。
まとめ
この本で特徴的なのは、会社経営をしながらも「売上を追わない」と言い切っているところ。
そして、過剰労働になるのは仕組みの問題で、経営者の責任だ、と。
会社であれば「もし売上が悪化した時のために一定の内部留保を」なんてことが常識ですが、そんなことにはとらわれていません。
「売上が落ちれば、落ちても経営できる体制にすればよい」と。
それで実際に50食限定の佰食屋1/2をオープンされたんだとか。
色々な働き方・経営の仕方があって良いと思いますが、「その働き方・経営の仕方に信念はあるのか?」ということは常に問うて行かねば、と思う次第です。
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