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個人事業主が節税で考えるべきポイント〜年収別に解説します〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

個人事業主であれば一度は「節税」について考えたことがあると思います。

Amazonなどで探せば節税に関する本は多くありますし、基本的な内容は網羅されています。

例えば、

青色申告をする

iDeCoや小規模企業共済

などですね。

特にiDeCoや小規模企業共済は節税をしながら将来の備えをすることができるので、会社員に比べて将来の年金が少ないフリーランスや個人事業主にとっては優先度の高い選択肢になります。

ただ、そういった節税本では「どんな人がやるべきなのか」といったことはあまり書かれていません。

こんなツイートをしてみたら反響が多かったので、もう少し深掘りしてお話ししようと思います。

なお、前提としてフリーランスや個人事業の方を対象に説明していますので、サラリーマンの方は少し事情が変わります。

所得税率の表に沿って話して行きますね。

節税よりも稼ぐことを優先するフェーズ

まず①の方は節税を考える必要はありません。

この場合、税金や社会保険を引いた手取りは月に20万円以下になります。

独身であっても貯蓄に回せる金額はそれほど多くないでしょうし、結婚して子どももいれば共働きでなければ厳しいでしょう。

そのため、このフェーズでは節税を考えるよりも収入を増やすことを優先すべきです。

具体的には

・広報や営業の行動量を増やす(違うやり方を試す)

・商品やサービスのコンセプトを再構築する

などでしょうか。

この段階であれば、無駄な経費を使わず自分の頭と行動で売上を伸ばせるはずです。

節税を考え始めるフェーズ

次は、表の②の方です。

この段階であれば、月の手取りは20〜30万円ぐらいでしょう。

ギリギリ②になる位の方であれば優先度を高くないですが、このレンジの上のほうになれば節税を考え始めても良いと思います。

iDeCoや小規模企業共済は少額からでも始められますし、どちらかに加入するというのも良いでしょう。

ただ、がっつり節税ではなく、あくまでも「余裕資金があれば」という意識ですね。

節税の結果、目の前の資金がカツカツになったら本末転倒ですし、このフェーズであれば事業のために再投資した方がリターンが大きい場合が多いと思います。

節税を実行するフェーズ

月の手取りとしては30万円を超え、④に近い方では80万円ほどになるでしょう。

ここは所得の幅が広いので、いきなり節税策を増やすというより余裕資金を見ながら少しずつ増やしていくイメージです。

②に近い方がiDeCoや小規模企業共済を満額で加入するとしんどいでしょうが、④に近い方であれば十分支払うことができるはずです。

貯金するだけでは何の節税にもなりませんが、iDeCoと小規模企業共済をフルで加入すれば合計で165万円の控除を受けることができます。

このレンジの方であれば、所得税と住民税を合わせれば約50〜55万円の税金が減ることになりますので、かなり有利に将来の備えができるかな、と。

また、仕事量も増えてくる頃だと思いますので、業務の一部をアウトソースしたり、広告費を積みますなど効率化や更なる売上増加のための経費を考えても良いと思います。

時間に余裕がなければ新しいチャレンジをしにくくなりますし、これぐらいの所得になれば「お金で時間を買う」という発想を持つべきです。

仕組みを変えるフェーズ

表の④になりますが、法人化を検討した方が良いフェーズになります。

売上に波があるならともかく、毎年コンスタントに所得900万円以上を稼いでいるのであれば法人化のメリットが大きいと思います。

また、複数の事業を行なっているのであれば、一部を法人化して一部は個人事業主として続けるという選択肢を取ることも可能です。

ただ、法人化すると社会保険の仕組みが変わる、iDeCoの上限が引き下げられる、維持コストの増加(登記費用や税理士費用など)など個人とは事情が変わることも多くあります。

そのため、具体的な検討は税理士など専門家に相談しながら進めるのが良いと思います。

まとめ

「なるべく税金を減らしたい」という気持ちは分かりますし、適切な手段で節税を行うことは望ましいことだと思います。

ただ、この記事でもご説明したように、節税をすべきフェーズとしてはいけないタイミングがあると思っています。

売上が少ない段階では支払った金額に対して減る税金も少ないですし、何よりも事業を安定させること、伸ばして行くことが最優先になります。

ただ、この段階で節税について調べたり、場合によっては「個人的な支払いを経費に入れる」といった脱税行為に走ってしまう人もいるんですよね。

重要なことは税金を減らすことではなく、事業を安定させることやお金の面での心配を減らすことじゃないですか。

このポイントを見失うことなく、事業フェーズに応じて正しい対策をしてください。

 

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