こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
2020年の税制改正でジュニアNISAの廃止が決定しました。
しかし、廃止が決まったからこそ、利用しやすい制度になったんです!
金子
廃止が決まったものの、内容も改正されており、
・18歳未満で払い出すと利益と配当に課税される
という致命的なデメリットが無くなりました。
廃止が決まったから使い勝手が良くなるというのは何とも皮肉ですが、有利な制度は使っておくべきでしょう。
特に、子どもが小さい(特に小学校入学前)家庭にとっては使わない手はありません。
そこで、ジュニアNISAについて解説して行きます。
改正でジュニアNISAはこうなった
ジュニアNISAの口座開設及び金融商品の購入は2023年をもって終了します。
ただし、2023年までは金融商品の購入は可能で、年間80万円の購入枠があります。
2023年までに購入した金融商品については、子どもが20歳になるまでは非課税のまま保有することが可能です。
制度上、「非課税管理勘定」というものと「継続管理勘定」というものがありますが、名前は特に重要ではありません。
投資してから5年間は「非課税管理勘定」で、6年目以降は「継続管理勘定」になるのですが、どちらも非課税で運用できるので、最大で20歳までは非課税で運用できるという理解でOKです。
今までは、18歳までの間に金融商品を売却して現金化(=払い出し)すると、過去の配当なども含めて課税対象となっていました。
課税されるのは、配当と利益の20.315%なので、10万円の配当や利益に対しては約2万円の税金が掛かることになります。
例えば、ジュニアNISAで運用していたものの、高校で学費の高い私立に行くために払い出しをしてしまうと、課税されてしまうという問題点がありました。
しかし、今回の改正で18歳までの間に払い出しをしても非課税となるため、使い勝手が良くなったのです。
18歳までの間に払い出しをした場合のイメージは次のようになります。
当然ながら、運用期間が長くなればこれ以上のメリットを受けることも可能ですし、利益の2割ってバカにならない額だと思います。
ジュニアNISAを開設するには
ジュニアNISA自体は子ども名義で保有することになりますが、開設手続きや管理運用は基本的に親などの親権者が行うことになります。
そのため、親などが証券会社に口座開設の依頼を行い、税務署の承認後にジュニアNISA口座が開設されます。
証券会社にもよりますが、申請から口座開設まで1カ月程度は見ておいた方が良いと思います。
野村證券、大和証券といった対面型の証券会社、SBI証券や楽天証券などのネット証券でも口座開設が可能です。
親が口座を持っている証券会社で開設するのがスムーズでしょう。
「損したらどうするの?」というあなたへ
ここでは単純に「元本割れ=損」だとしてお話をします。
確かに、投資ですから元本割れをする可能性はゼロではありません。
そこは自己責任で、としか言えないのですが、参考までに過去の値動きをご紹介します。
日経平均ですがはこのような動きになっています。
ピンポイントで見れば現状の株価より高い時点はありますが、購入時期を分散して長期間運用すれば、「最悪なタイミングで買ってしまった」ということは避けられます。
また、アメリカのS&P500の動きはこちらです。
日経平均とは違い、ほぼ右肩上がりの動きになっています。
もちろん、これから先がどうなるかは、神のみぞ知るですが・・・
ただ、知っておいて頂きたいのは、「インフレになればお金の価値は下がる」ということです。
仮に年間2%の物価上昇が続くとすれば、20年で物の値段は約1.5倍になります。
つまり、今の1万円がだいたい6,600円程度の価値になるということ。
これは「損」してないんですかね?
インフレとは逆にデフレが続けばお金の価値は上がりますし、必ずインフレが起こるかどうかは分かりません。
ただ、日本円を持ち続けていても、損をすることはあり得るということを理解しておいて頂ければと。
手持ち資金の無理のない範囲で、基本的にはインデックスファンドなど、広くリスク分散ができるものに投資するのが良いのではないかと思っています。
まとめ
ジュニアNISAは、18歳未満で払い出しをすると課税されるという問題点もあり、口座開設数が低調でした。
そのため廃止されることになった訳ですが、それに伴う改正で使いやすくなるという結果に・・・
何とも皮肉な結果ですが、有利な制度であることは間違いないので、使わない手はないのでは、と思っています。
お子さんが小さいご家庭は検討の余地ありですよ。
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