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NPOの理事が従業員と兼務した場合の給与の取り扱い〜定款の設計も重要です〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

NPOの場合、従業員(常勤職員)が理事を兼務することも珍しくありません。

団体によっては、立ち上げの中心メンバーが代表理事(理事長)となり現場も回すという場合も。

このように理事が従業員を兼務している場合、役員報酬について税務上の取り扱いに注意する必要があります。

ここでは、理事が現場の業務を担う場合の注意点を解説します。

役員報酬の基本的な考え方についてはこちらの記事をご覧ください。

参考 NPO法人における役員報酬の注意点〜NPO法の目線と法人税の目線〜ソーシャル税理士金子尚弘のページ

一般の理事が従業員を兼務する場合

理事としての役割を担いながら現場の有給職員として勤務している人の場合、従業員として給与を支払うことが可能です。

この場合の取り扱いですが、従業員としての基本給・残業代・手当などは「給料手当」として処理することとなります。

ただし、理事の報酬として別枠で支給していれば、その部分は「役員報酬」として処理することとなります。

このような理事兼従業員の人は税法上「使用人兼務役員」という取り扱いになり、理事の報酬と従業員の給料と区分して処理することになります。

多くのNPOで理事と従業員を兼務することは行われていると思いますが、実際には従業員分のみお給料を支給して、理事は無報酬という場合が多いのではないでしょうか。

こういった場合は役員報酬について検討する必要はありません。

・一般の理事へ支給する報酬・給与の取り扱い

給与の性質理事の職務現場の職務
NPO法役員報酬給与
法人税法役員報酬給与

代表理事や副理事長などが現場の業務も担う場合

代表理事(理事長)が現場の業務も担うということもあると思います。

ただ、通常の理事とは異なり、代表理事(理事長)は税務上の「使用人兼務役員」にはなれません。

現実として現場の業務と兼務することは問題ありませんが、理事長へ支払う報酬や給料は税務上は全て「役員報酬」として取り扱うこととなります。

なお、理事長以外にも、副理事長や専務理事、監事などの役職者も同様の取り扱いになるので、注意が必要です。

【ポイント】使用人兼務役員になれない役職(法人税法施行令71条)

 

使用人兼務役員とは、役員のうち部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいいますが、次のような役員は、使用人兼務役員となりません。

 

1 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人

2 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員

3 略

4 取締役(委員会設置会社の取締役に限ります。)、会計参与及び監査役並びに監事

5 略 

・代表理事、副理事長、専務理事などへ支給する報酬・給与の取り扱い

給与の性質理事の職務現場の職務
NPO法役員報酬給与
法人税法役員報酬役員報酬

定款の設計で注意すべき点

理事が現場の職務を兼務している場合の役員報酬の考え方はご説明した通りです。

NPOは、定款において代表権や副理事長などの役職について定めることとなっていますが、定款の設定によって役員報酬の問題を解決できる場合もあります。

まずは団体の定款を確認して頂き、どのような設計になっているかをチェックしておきましょう。

代表権に関する事項

NPO法人の理事は、法律上、各理事が単独で法人を代表する権限を有することが原則とされています。

法人が定款において代表権を制限していない場合には、理事の全員が代表者となるため、注意が必要です。

【NPO法第16条】

理事は、すべて特定非営利活動法人の業務について、特定非営利活動法人を代表する。ただし、定款をもって、その代表権を制限することができる。

全員に代表権を与える特別な事情がなければ、

「理事長以外の理事は、法人の業務について、この法人を代表しない。」

といった条項を加え、代表者を1名に絞っておく方が無難でしょう。

この条項がなければ、理事の全員が代表者という扱いになるため、

・法人税法上、理事に対して支給した報酬・給与の全てが役員報酬と取り扱われる

・理事の全員を登記する必要が生じる

といった不便が生じてしまいます。

特別な事情がなければ、代表者は1名にしておいた方が良いと思います。

副理事長、専務理事などに関する事項

役職は色々ありますが、副理事長・専務理事など役職付きの理事の枠を設ける場合があります。

一般的には次のような条項が入り、定数を定めている場合もあります。

「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故あるとき又は理事長が欠けたときは、理事長があらかじめ指名した順序によって、その職務を代行する。」

「専務理事は、理事長の総理の下に、この法人の通常業務を統率し執行する。」

理事の中での権限を明確にする意味でも、副理事長や専務理事などの役職を設けておく意味はあります。

ただ、副理事長や専務理事が現場の業務を担っていたとしても、法人税法上は全てが役員報酬として取り扱われる点には注意が必要です。

従業員としての給与を支給する場合は副理事長などに就任をせず、一般の理事に留めるなどの対応をした方が良い場合もあります。

まとめ

役員報酬についての税務上の注意点についてまとめましたが、注意すべきは代表理事(理事長)や副理事長、専務理事などになっている人の報酬についてです。

一般の理事については、従業員としての給与を支給していたとしても、理事としての報酬がゼロであれば役員報酬として注意するポイントはありません。

代表理事(理事長)への報酬については制約が多くなりますが、税務面で損をしないためにもきちんと把握しておきましょう。

また、定款を見直すことで柔軟に給与を支給することができる場合があるので、こちらも確認をしておきたいポイントです。

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