こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
税理士という仕事は専門職なので、クライアントは税務の手続きが面倒だったり知識がないので、税理士に依頼をします。
そのため、税理士にとって当たり前だと言うことが、クライアントにとって当たり前ではないというのはよくある話です。
こういった事は自分自身が「知らない側」に立つとことで、改めて気付かされることもあるんですよね。
最近歯医者さんで虫歯が見つかり、その治療をしたのですが、なかなか思うところがありました。
今回は専門家としてクライアントにどう接するべきか、その必要な心構えを考えてみたいと思います。
こんな歯医者は嫌だ
子育てに忙殺されていて、数年間歯科検診を受けていなかったので、久々に検診を受けることにしました
選んだのは家から一番近い歯医者さん。
検診を受けてみると、虫歯があると言うことで治療されることになりました。
そして、いざ治療がスタートした訳ですが、
・治療の選択肢や治療終了までの流れの説明がない
・治療内容の説明もなく突然治療が始まる
・口を開けてから「痛かったら麻酔するから」と言われる
みたいな感じで、不安しかありませんでした。
私としては、虫歯の状態がどの程度で、どんな治療をして、治療が完了するまでどの程度かかるのかなどを説明して欲しい訳です。
また、治療に選択肢があれば提示して欲しいですし、実質的に治療法が一択であればそのように説明してほしいです。
治療してくれた院長先生は治療が終わるとさっと席を立ってしまい、何をしたかも説明がないままでした。
なので、治療が終わった後に衛生士さんに何をしたかを尋ねて何となく治療内容が分かったという感じです。
まぁ、歯医者さんからすれば、初歩的な内容で説明するまでもないと思っていたのかもしれませんが、素人の私からすればやっぱり不安な訳です。
ざっくりとでも治療の方針や見通しなどを説明してくれるだけで、心持ちはだいぶ楽になったと思います。
税理士への不満も説明不足が原因だったりする
新規のクライアントから問い合わせでお話を伺うと、その理由として今の税理士に不満があると言う声も多く聞きます。
理由は様々ですが、税理士側も工夫次第では不満を減らせると思う事は多々あります。
と言うのも、税理士への不満は、説明不足だったりコミニケーション不足に起因していることが多いんですよね。
私が歯医者さんに持った不安感や不満と同じで
①取り得る選択肢があれば説明してクライアントに判断材料を提供する
②クライアントからの要望に応えられない場合は理由を含めて説明する
③納税の見通しなどを早めに伝える
みたいなことで、クライアントからの不満はかなり減らせるのではないかと思います。
例えば、①であれば、税額控除と特別償却を選択できる場合に、それぞれのメリットとデメリットを説明して判断してもらうなどです。
②についても「税金が高い」と言うのは、税理士であれば何度も聞かされるフレーズだと思います。
ただ、当然ですが、赤字にして税金を減らせば、資金繰りは厳しくなります。
そのため、一定以上の納税をすることで、資金繰りが改善することをきちんと説明する必要があるでしょう。
③についても、「申告期限の直前に納税額を知らされた」と言う話もよく聞きます。
もちろん、クライアントが資料を提出してくれないなど税理士側に非がない場合もありますが、概算でも良いので伝えておくことは大切ではないかと。
そうすることでクレームは防げるでしょうし、クライアントとしても資金繰りの見通しが立つので安心感もあるはずです。
なお、うちでは定期的に決算の着地見通しを共有して、納税の見通しもクライアントにお伝えしています。
また、私はキャパ以上に顧問先を増やさないことも意識しています。
限界を超えるとそれぞれのクライアントへのフォローも手薄になりますし、結果的にクライアントの不満にも繋がってしまうかなと。
まとめ
専門職の仕事と言うのは、クライアントとの情報の非対称性が大きい職業です。
そのため、クライアントがいかに安心してサービスを受けてもらえるのかを考えることで、クライアントのためにもなりますし、結果的にクレームも減り税理士の為にもなると思っています。
自分が素人の立場に立ってサービスを受けることで気付くこともありますよね。
いろいろなところに経営のヒントは隠されていると思います。
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私が仕事をする上で大切にしていることです。
お客様とのコミュニケーションを取ることが仕事の根本にあると思っています。
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