こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
美容室の倒産が増えているという報道をネットニュースなどで目にしました。
帝国データバンクによると2024年は8月時点で前年同期の約1.5倍の倒産件数があり、このままのペースで推移すれば、年間で初めて200件を超え過去最多となる可能性もあります。
こうした美容室の倒産急増の背景には、店舗間の競争激化や原材料の価格高騰、円安の影響など、さまざまな要因が重なっていると説明されています。
サロンの規模や立地などによって取るべき戦略や置かれた状況は異なりますが、値上げを恐れないことが基本になるでしょう。
もちろん、単に値上げをするだけでは逆に売り上げを失うことにもなりかねませんが、マーケティングとの両輪でしっかりと売り上げを作っていけるはずです。
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美容室業界の現状
美容室の倒産が増加している中、多くの美容室経営者が日々の経営においてさまざまな課題に直面しています。
これは美容室に限らずですが、購入頻度の減少や低単価商品へのシフトが起きています。
ただ、全てのカテゴリでこのようなことが発生する訳ではなく、いわゆるコモディティ化した商品やサービスで起こりやすいんですよね。
つまり、美容室では「髪を切らなきゃいけないけど、どこでも良い」という人は来店頻度が下がったり、低価格サロンへ移って行く訳です。
元々ホットペッパーなどの新規クーポンを使ってサロンを転々とする人は一定数いますが、より来店頻度や価格にシビアな人が増えているようです。
また、シャンプーやカラー剤、水道光熱費などの値上がりによってジリジリとコストが増えているというサロンが多いと思います。
そうなると値上げが必要になる訳ですが、実際には尻込みする経営者の方も多いのが事実です。
日本政策金融公庫の調査では、値上げを行っても利益が「不変・減少」となったケースが8割となっていますし、サロン側も値上げへの抵抗感はあると思います。
もちろん単に値上げをしただけでは客離れが起きるのは仕方ないんですよね。
ここからは値上げをする際に意識したいことを考えて行きます。
小規模サロンの戦い方
サロンに限らずですが、経営戦略は事業規模によって異なります。
ここからは、小規模サロンに焦点を当てて取るべき戦略について解説します。
まず、小規模サロンの強みは、オーナーと顧客の距離が近いことや、他のお客さんと被らずにゆっくり過ごすことができる点でしょう。
そのため、サロンの居心地やオーナーとの相性が重要になりますし、「このサロンの居心地が良い」と思ってもらえるお客さんを集められるかがポイントになります。
そうすれば値上げをしても離脱せず、長期でリピートしてくれるお客さんに来店してもらうことができるようになります。
とは言っても、何もせずにそんな素敵なお客さんばかり集まる訳ではありません。
そこで重要なのでSNSなどでのブランディング・マーケティングです。
まず、小規模サロンでは、オーナーの人柄が大きな魅力の一つです。
SNSやホームページなどを活用して、オーナーの人柄や趣味、施術に対するこだわり等を発信することで、サロンの価値観に共感するお客さんが来店するきっかけになります。
また、サロンの空間作りや施術の流れも、小規模サロンの魅力となります。
これらを写真や動画で発信し、訪れる前にサロンの雰囲気やサービス内容を顧客に伝えることで、来店のハードルを下げることができます。
ぶっちゃけ、カットモデルの写真をアップしても大した効果はないと思います。
もちろんゼロよりはあった方が良いのでしょうが、カットの例よりはサロンでどう過ごせるか、オーナーはどんな人なのかが伝わる方が大事です。
また、小規模サロンでは安売りをしないことが非常に重要です。
オーナーが施術をするケースがほとんどですので、低単価では自分自身が疲弊します。
ただ、高単価である理由が伝わらなければお客さんは来てくれないので、顧客が提示する価格に納得する理由を提供することが大切です。
使用しているシャンプーやカラー剤の品質やサロンでのサービス内容などで価格に見合う価値があることを伝えるべきですし、何よりもオーナー自身の人柄や特徴などをきちんと伝え「この人のサロンに行きたい」と思ってもらうことが一番大事ではないかと。
このように、サロンの特徴やオーナーの価値観に共感するお客さんを集めることができれば、リピーターが増え安定した売上につながります。
まとめ
美容室に限らず、小規模のサービス業は
・大手とは違うサービスの質や内容をしっかりと伝えること
・オーナーの人柄やキャラを打ち出すこと
が生き残る道なんだろうと思います。
税理士でもそうですが、小規模の事務所が選ばれるには相応の理由が必要ですし、選ばれるためには実際にサービスを提供する前に適切な期待値を持ってもらうことが重要です。
そのためには自分のビジネスのこと、そして自分自身のことをしっかりと伝える必要があるんですよね。
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