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腕時計の輸入で消費税を脱税。その仕組みを解説します。

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

ふとネットを見ていると、こんなニュースが。

高級時計密輸で4000万円脱税=容疑で買い取り会社告発―東京国税局

輸入消費税の仕組みを悪用した脱税ですが、その仕組みを説明したいと思います。

腕時計を輸入した時の消費税

まず、輸入をした時の消費税の仕組みを説明します。

香港で時計を購入した時点では、日本の消費税を支払うことはありません。

海外なんで当たり前ですよね。

しかし、日本に持ち込む時に税関に申告をして、そこで消費税を支払うことになります。

消費税は「日本で消費するもの」に課税されるので、海外で買ったものであっても日本に持ち込む時には消費税を支払うことになります。

ただし、最終的には税務署へ申告することで税関に支払った消費税を差し引いて納税します。(日本で仕入れた物の消費税を差し引けるのと同じ仕組みです)

例えば3億円で腕時計を仕入れて、5億円(税抜)で販売したとしましょう。(税関に支払った消費税は1600万円とします)

売り上げた分の消費税は5億円×8%=4000万円なので、そこから税関に支払った1600万円を差し引いて2400万円を税務署へ納税します。

業者はこうやって脱税した

輸入品の消費税は先ほど説明したように、

①税関に申告&納税

②税務署へ申告して税関に支払った消費税を差し引き

という流れになります。

つまり、この業者は本来はこう申告すべきなのです。

しかし、この業者は税関をガン無視して1円も払わずに輸入した上に、税務署には日本で買った腕時計ということにして実際の購入額の8%を還付してもらっていたのです。

結果的には税関に支払わなかった1600万円と税務署から還付された2400万円のダブルの脱税ということになります。

な・・・何て悪どいの!!

【参考】

腕時計の輸入をする場合、税関は実際の購入額に対して消費税を課税する訳ではありません。

市場価格の60%に対して消費税8%を課税する決まりになっています。

そのため、今回の脱税では推定の市場価格は3.3億円、実際の購入金額は3億円と予想されます。

 

税関の脱税額1600万円÷8%=2億円(課税対象の金額)

2億円÷60%=約3.3億円(推定の市場価格)

 

税務署からの還付額2400万円÷8%=3億円(消費税の申告額=実際の購入金額)

まとめ

税務署への申告で、日本で支払った物の消費税を差し引く場合には

仕入先、金額、仕入日

などが記載された請求書や領収証を保管して、きちんと帳簿にも記入する必要があります。

日本の業者から仕入れたとして請求書などを偽造したのか、何も保管していなかったのかは分かりませんが、いずれにしても悪質な脱税です。

最近は消費税の税務調査も厳しくなっている印象がありますので、悪意がある脱税は論外ですが、

間違って領収証を捨てちゃった!

ということが無いようにきちんと管理しておきましょう。

また、個人で輸入などをする場合には、きちんと税関に申告してくださいね。

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