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資金繰りを考えるコツ~売上を分解して経費をランク付けしてみよう~

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

起業してしばらくの間は売上の見通しも立ちにくいですし、資金が続くのか心配になることもあるでしょう。

私も独立直後は売上からは生活費を捻出できませんでしたし・・・

また、事業が軌道に乗ってからも借入金の返済や人件費など遅れてはいけない支払いに頭を悩ませることもあると思います。

そんな時に必要なのが資金計画ですが、作ったことはあるでしょうか?

「そんなの難しいし作ったことないよ」

「税理士も相談に乗ってくれないし」

そんな声も聞こえてきますが、簡易的な資金計画であればExcelやスプレッドシートがあれば作成できます。

資金ショート寸前!というレベルでなければおおまかな流れを把握するだけで十分です。

まずはざっくりとした資金計画の作り方を解説していきます。

売上を分解してみる

売上がなければお金は入って来ません。

事業が続くかどうかは、きちんと売上を確保できるかにかかっていると言っても良いでしょう。

しかし、決算書や試算表の数字だけを見ていては資金計画は立てられません。

そこに現れる数字は全部の売上の合計であって、いくつかの要素に分解することができます。

まずは、

単価×数量=売上

です。

飲食店や宿泊業、美容室などであれば、客単価×客数となります。

このようなお客様の数が多い商売では、個別のお客様の売上を計算するのではなく、平均の客単価で計算することになります。

例えば、このようなイメージです。

飲食店でランチ・ディナーともに営業していおり、1日の中で客単価が変わるような場合はそれぞれ計算した方が良いでしょう。

一方で、業務委託などのフリーランスであれば、クライアントごとの委託料を積み上げて売上見込みを計算することになるでしょう。

このようなお客様の数が限られていて、一社に対する売上金額が大きい場合には実際の金額で計算するべきでしょう。

(将来の予測であれば、希望の契約金額で見込みを立てることになります。)

例えば、業務委託を受けている場合は次のようなイメージになります。

一社あたりの契約額が決まっていれば、その金額を積み上げて売上の合計を計算します。

商談中で未確定のものは太字にするなどすると、分かりやすいでしょう。

このように、いきなり売上の合計値を書き出すのではなく、分解して考えることがポイントです。

経費はトップ3~5に絞って考える

続いては、経費の予測を考えてみましょう。

決算書を見ると金額が大きなものから小さなものまで、色々な科目が並んでいますよね。

ポイントは、経費の中で金額の大きなトップ3~5に絞って計画を考えるということです。

例えば、飲食店であれば

仕入、人件費、家賃

トップ3でしょう。

仕入であれば売上×原価率

人件費は正社員であれば月給、アルバイトであれば時給×時間数

家賃は固定なので、月額の家賃

といった感じになると思います。

これらに加えて、広告宣伝費、消耗品費、支払手数料(クレジット決済が多い場合)なども比較的大きな金額になることが多いです。

こちらも分解できるものは分解して考えると実際の数字に近くなると思います。

例えば、広告であれば媒体ごとの金額を書き出してみると検証しやすくなるでしょう。

また、予約サイトなど利用に応じて課金されるものは利用率や単価に分解することもできます。

このようにトップ3~5程度の科目を詳しく検討しておけば、残りの科目は過去の実績などでざっくり計算すれば良いでしょう。

恐らく、トップ5の科目を合わせれば経費全体の半分以上、業種によっては7~8割にはなっているのではないでしょうか。

資金ショートがチラつくというレベルでなければ、こんな感じでざっくりと資金の見通しを把握するだけで十分だと思います。

【補足】借入の返済も忘れずに

借入金がある場合、返済は経費にはなりませんが、確実にお金は出ていきます。

借入金の返済ができる利益を出せるかも重要なポイントですので、借入金の返済額もきちんと書き出しておきましょう。

まとめ

今回はざっくり版の資金計画の作り方をご説明しました。

ポイントは

・売上は単価×数量に分解して考える

・売上の種類(例えばランチとディナー)が分かれる場合は分けて考える

・経費はトップ3~5に絞って考える

といったところです。

また、要素を分解して考えるメリットとして、振り返った時に検証が可能というのも重要なポイントです。

例えば、「客単価は目標達成したけど客数が少なかった」という結果になったとしましょう。

その原因を考えて、対策を考えれば良い訳です。

・近隣に飲食店が増えた

→広告を強化、リピート率を上げる対策を打つ

といった対策を考えられる場合もあれば、

・大雪の日が多かった

といった不可抗力の場合もあるので、色々な目線から検証することも大切だと思います。

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