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数字から目を背けるとロクなことがない〜赤字財政に目を背けたルイ14世のお話〜

「ルネッサーンス!」

髭男爵のルイ53世って最近あんまり見ませんね。

こんにちは、幕末から近代史が好きな税理士の金子(@innovator_nao)です。

「歴史とお金」、あまり教科書には出て来ませんが、面白い話もあったりするもので。

今回は”太陽王”と呼ばれ、「朕は国家なり」と言い放ったルイ14世のお話です。

(髭男爵のフリは何だったんだ)

ブルボン朝のピークとルイ14世

「世界史は苦手だよ」という方も少しお付き合いを。

ブルボンと言えば・・・お菓子!

じゃないです。

ブルボン朝は1598年に現在のフランスでアンリ4世が国王になって成立しました。

その後はルイ13世、14世と「ルイ」達が王位を継承して行きます。

こんなブルボン朝の時代でピークだったのはルイ14世の時代。

「朕は国家なり」と言った彼です。

若き日のブライアン・メイに似ている気もするけど・・・私だけでしょうか。そうですか。

そして有名なのは「お菓子を食べればいいじゃない!」というパワーワードを残したマリーアントワネット。

そして妻のマリーアントワネットと共に処刑されたルイ16世。

そんなルイ家、ルイ14世の時にはベルサイユ宮殿を建てるなど栄華を誇ります。

さて、主役がいればそれを支える名脇役あり。

近藤勇と土方歳三、豊臣秀吉と黒田官兵衛。そしてジャイアンとスネ夫(多分、ちょっと違う)。

そんな役割だったのがコルベールです。

当時は黒髪ロン毛が流行ってたんでしょうか。

そんなコルベールのすごいところは

・会計と資産運用で王家の会計顧問に出世

・帳簿から不正を見抜いて政敵を失脚させる

・劇的な財政再建を成し遂げる

などなど。

名脇役どころか、完全に影で歴史を動かしている・・・そんな彼の話をもう少し掘り下げてみましょう。

コルベールは簿記を武器にして成り上がった

複式簿記を使いこなす人材はかなり珍しかった1600年代、そんな時代にコルベールは陸軍の事務職で頭角を表して行きます。

軍の予算管理なども担当しており、「何てわかりやすい報告書を書くんだ!」と一目置かれ、どんどん出世して行きます。

そして時の宰相マザランの財務顧問に取り立てられることに。

そしてグチャグチャだったマザラン家の財産を整理して、資産運用を始めるのです。

これに感激したマザランは、王位を継いだルイ14世の会計顧問に推薦して、ついにコルベールは王家に入り込みます。

さらには、ルイ14世が親政を始めたもんだから王家=国家になってしまった訳です。

親政とは国王が政治も司ること。

日本に当てはめれば、天皇陛下が総理大臣も兼務する、みたいな状況です。あり得ないですよね。

まさに「朕は国家なり」になった訳です。

国家の財務大臣のような立ち位置になったコルベールは、政敵であるフーケを潰しにかかります。

国家財政を懐に入れて豪華な生活をしているフーケに対して、ありとあらゆる書類を差し押さえて横領の罪で逮捕。

そして裁判所の判決は国外追放だったにも関わらず、ルイ14世は鶴の一声で終身制にするというジャイアンっぷりを発揮します。

フーケ

終身刑?嘘でしょ、ねぇ嘘でしょぉぉー!

当然ながら、裏で手を引いていたのはスネ夫的な立ち回りをしたコルベールです。

「汚ねぇぞコルベール!」とお怒りでしょうが、権力の座を守るというのは生きるか死ぬかの戦いなので仕方なかったんでしょう。知らんけど。

政敵をぶっ潰して、あとは自分の正しいと思う政策を推し進めて行きます。

ざっくり言うと

・国内産業を保護、育成して輸出を推奨

・植民地を拡大してフランス経済圏を拡大

という感じ。

これに加えて帳簿の作成や簿記レベルの底上げを試みます。

その取り組みの一つとして、法律の整備を行い、商人に対して帳簿を2年ごとに締めて作成するというルールを作ったんです。

商人に対しては帳簿の監査もあり、今でいう会計監査や税務調査みたいなものも行われていたようです。

そして王家には、週に2回財務報告をしたり、毎年の報告では過去の税収の推移なども報告されていたんだとか。

このような取り組みを続けることで、ブルボン朝の財政は着実に持ち直して行きます。

現実から目を背け財政を悪化させたルイ14世

しかし、ルイ14世は財政再建とは逆の行動を取っています。

在位中にいくつもの戦争を仕掛けていますし、あのベルサイユ宮殿を作らせたのもルイ14世です。

コルベールからしたら

「無駄遣いすんなや!俺がどんだけ頑張ってると思ってんねん!」

と、どつきたくなるでしょうね。実際どついてたかもしれません。

実際のところ、再び財政が逼迫して来ると、ルイ14世は腹心だったはずのコルベールを疎ましく思っていたんだとか。

金遣いの荒い旦那が堅実派の奥さんに逆ギレする、みたいな光景ですね。

そしてコルベールの死後、同じ役職には誰にも就かせることはなく、帳簿の報告もなくなったようです。

そして国家財政はきちんと管理されなくなり、破綻への道へまっしぐら。

この先の数十年、フランス財政は火の車が続きます。

まとめ

優秀で少しばかり冷酷なコルベールの努力も虚しく、ルイ14世は財政再建から道を踏み外し、財政危機へと転落していきます。

これって・・・直視したくないものから目を背けて自滅する典型的なダメ社長みたいじゃない?

赤字になれば、本来は支出を絞って何とか資金繰りを立て直すべきです。

それなのに、高級車は手放さず、交際費も減らない社長っているんですよね。

コルベールみたいな奥さんがいても、です。

「簿記なんて後回しでドンブリ勘定」なんて人は論外ですが、耳が痛い忠告にもきちんと耳を傾けることって大切だと思うんですよね。

これは国家財政でも、会社の経理でも、家計でも同じじゃないかな、と。

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