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バイトと業務委託の境界線〜給与と報酬の具体例〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

こちらの記事でバイトになるのか業務委託になるのかについて説明しました。

具体的には会社(発注者)と労働者(受注者)との関係で判断することになりますが、細かい判断は難しいものです。

実際にあった事例や想定される具体例を取り上げながら少し細かく見ていきたいと思います。

バイトと業務委託の線引きを復習

改めて、バイトと業務委託の線引きを整理して見ましょう。

バイトとなる場合の判断基準

・使用者(会社)から場所や時間を拘束されている

・使用者(会社)からの指揮監督がある

・使用者(会社)が業務に使用する備品などを用意している

・成果物ではなく、基本的には時間給の契約になっている(失敗しても給料の支払いがある)

こういった条件に当てはまればバイトとして給与扱いになります。

業務委託となる場合の判断基準

・業務上の責任は業務を行う人が負う

・勤務時間が決められていない

・業務に必要な備品などは業務を行う人が用意する

・業務時間ではなく成果に対して報酬が支払われている

・業務完了しなければ報酬が支払われない

こういった条件に当てはまれば業務委託として報酬扱いになります。

バイトと業務委託の線引き〜具体編〜

いくつかの事例を取り上げながら、具体的な判断をしてみたいと思います。

クラウドソーシングの場合

これは、報酬と判断してOKです。

クラウドソーシングの場合、成果物と納期は決まっていますが、いつどこで仕事をするかはフリーランスの裁量次第です。

また、作業で使うパソコンなども受注者が自分の物を使うことになりますので、備品の支給もありません。

契約書をクラウドソーシングの仲介会社が用意することはないので、一律の契約ではないですが、発注者が給与として契約することは有り得ないでしょう。

その辺りから考えると業務委託として報酬扱いとなります。

歩合制のマッサージ師

これは実際にあった事例ですが、マッサージ店でマッサージ師と売上の一定割合を支払うという業務委託契約書を作成していました。

会社が所有する店舗でマッサージをするため、ベットなどの備品は会社のものを使っていますし、閉店後の掃除を手伝うこともあるという状況です。

また、マッサージでトラブルがあった場合の責任は会社が負うという取り決めでした。

さて、この場合はどうでしょうか?

この場合、結論は給与として判断されました。

マッサージ以外の業務を行なっていること、備品の負担やトラブルの責任などから判断すると、実態は歩合給のバイトということになります。

形としては業務委託の契約書を作っていますが、あくまでも実態で判断しますので、契約書さえ作ればOKとはなりません!

クラウドファンディングの成功報酬

クラウドファンディングの成功には色々なコツが必要ですし、検索すれば大量に成功ノウハウの記事がヒットします。

「自分の想いで立ち上げて成功する」というのが理想だと思いますが、クラウドファンディングの代行や支援をするサービスも出て来ています。

こういったサービスはほぼ会社形態ですが、今回は個人が知り合いのクラウドファンディングを手伝って、成功報酬を貰うとしましょう。

こういった場合は報酬として考えるべきでしょう。

クラウドファンディングに向けて定例の打ち合わせなどで時間を拘束されることもあるでしょうが、基本的には裁量は受注者側にあります。

(そもそも、どんなサイトを作るのか、どんな戦略を立てるのか考えることを依頼している訳ですから)

給与か報酬か迷ったら

発注する会社としては、社会保険や消費税の負担や年末調整の手間などもあるので、できれば報酬で処理したい、という意向を持っているところも多いものです。

そして、受注側も副業の会社バレなどが絡めば業務委託の方が良いという場合もあるので、業務委託として契約をするメリットは双方にありそうです。

しかし、マッサージ師の例でも見ましたが、歩合制の報酬で契約書を作っていても、実態を考えると給与だったという場合もあり得ます。

こうなると、追加で所得税を納めたり、副業がバレたりすることにもなりかねません。

「微妙だなぁ」と思いながらも業務委託の契約にしている場合も実際にはあると思います。

自分で自分を守るためにも、条件面などをきちんと整理して、契約をするべきです。

もし業務委託にしたいのであれば、場所や時間などの勤務条件や備品の負担を事前に話し合い、給与として見られないように調整する必要があるでしょう。

 

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