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自社の役員に業務委託費を支払う際の注意点〜安易な委託契約はNGです〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

会社やNPOなどの法人が役員や理事に業務委託をすることができるんでしょうか?と質問されることがあります。

基本的には、役員報酬としてお給料を支払うことが多いと思いますが、

・毎月定額の設定にはしたくない

・社会保険が発生するから

などの理由もあってか、役員や理事に業務委託費として支払えないかという相談を受けることがあります。

私なりの答えとしては、

「不可能ではないが、ごく限られた場合のみOK」

というものです。

なお、この論点は税理士によっても見解が分かれる可能性があります。

この記事はあくまでも私の私見であることはご理解ください。

法律上は役員に業務委託費を支払うことは認められている

会社法(株式会社や合同会社)やNPO法(NPO)において、役員や理事に対して業務委託をしてはいけないと言う文言はどこにもありません。

そのため、業務委託費を支払うことは、法令上の問題はありません。

とある役員

じゃあ、支払って良いってこと?

金子

支払うことはOKだけど、税金の話は別なのです

とある役員

ん?どういうこと?

【補足】会社法やNPO方で定められていること

 

法人の役員と業務委託契約を結ぶ場合、利益相反行為に該当するため、取締役会(NPO法人などは理事会)で決議する必要があります。

業務委託か役員報酬か、それが問題だ

先程の説明は会社法やNPO法の観点からの見解ですが、税法は少し違った見方をします。

税法の考え方は、名目が何であれ実質的に役員に対する報酬だとみなされるものについては役員報酬として取り扱われます。

実質的にというのは、法人のために動いて法人からお金を受け取れば、それは役員報酬だ、ということです。

役員は所属する法人のために仕事をするので、当然のことでしょう。

そのため、安易に役員と業務委託契約を結ぶと実質的に役員報酬だとみなされて追加の納税が必要になる場合があります。

ただ、私としては全てNGという訳ではなく

・資格や特別な技能がないと出来ない仕事

などは認められる余地があると思います。

例えば、税理士である役員に対して決算報酬を支払う・建築士である役員に設計料を支払う、などでしょうか。

当然ながら、これらの場合でも相場からかけ離れた金額で契約すると役員報酬とみなされるでしょう。

業務委託費が役員報酬とみなされたらどうなるか

もしも業務委託費が役員報酬とみなされた場合、

・消費税の否認

・源泉所得税の徴収漏れ

・定期同額給与から外れた分は損金不算入

といった不利益やペナルティを受けることになります。

それぞれの項目について少しご説明します。

消費税の否認

業務委託費には消費税が課税されますが、役員報酬には消費税は課税されていません。

法人が本則課税で消費税を控除していた場合、役員報酬とみなされた部分については仕入税額控除が否認されます。

例えば、業務委託費が100万円であれば10万円の消費税を控除しているため、役員報酬とみなされれば10万円の追徴課税が発生することとなります。

源泉所得税の徴収漏れ

業務委託費はデザイン料など一定の場合は源泉徴収が必要ですが、仮に委託費として源泉徴収していたとしても、役員報酬は給与の枠となるので、納付漏れという扱いになります。

そのため、給与の源泉徴収漏れとして追加納付が必要となり、金額によっては延滞税などのペナルティが課されることとなります。

定期同額給与から外れた分は損金不算入

役員報酬は定期同額給与といって毎月同じ金額で支給しないと税務上の経費として認められない取り扱いがあります。

(例外はありますが、ここでは割愛します)

そのため、委託費の額が毎月変動しているような場合は、実際に支払った金額の一部が損金不算入となり、追加で法人税が発生してしまいます。

まとめ

このように、役員に対する委託費を役員報酬として認定できれば、税務署からすれば”一石三鳥”の結果となります。

そう考えると、役員に対する業務委託は厳しい目で見られることは間違い無いですし、否認された場合のリスクが非常に大きいという点はご理解いただきたいところです。

役員や理事であればその法人のために仕事をすることは当然であり、その対価が役員報酬ということになります。

業務委託費や謝金などの名目で支払う場合には、業務委託でなければいけない理由が必要だと考えて頂ければと。

安易に業務委託費を支払うことは避けた方が良いでしょう。

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