こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
レシートの整理をすることが大切ですが、事業用以外のレシートはどうしていますか?
家計簿をつけている方であれば、きちんと整理して保管してあると思いますが、捨てている方も結構いるんじゃないでしょうか。
でも、それは勿体無い!
プライベートのレシートですが、家計簿をつける以外にも役立つ場面があるのです。
こんなツイートをしたらけっこう反応があったので、ブログで詳しく書いてみようと思います。
おいらの場合、これに近しい商売の方には「プライベートのレシートも保管しておいて下さい」と頼んでおいたのよね。
経費に入れていないという証拠として。衣装代が経費として認められなかった芸人|ビジネスジャーナル スマホ https://t.co/sql8IeqX5k https://t.co/5gKEEWlXi0
— 税理士 金子尚弘 / Kaneko Naohiro (@innovator_nao) April 1, 2019
経費にならないレシートも保管しておく意味は?
以前、個人事業主の方の担当をしていた時に「プライベートのレシートも保管しておいてください。」とお話ししたことがあります。
その方は、業種的に贈答品や会食など交際費の支出が多い方でした。
なぜプライベートのレシートまで保管をしてもらったかと言うと、「経費にしていないことを証明するため」です。
確定申告の本などでは、「経費になるレシートをきちんと保管しましょう」と書かれていることが多いですが、それだけではプライベートの支出が経費になっているかどうかまではわかりません。
(もちろん、経費であることの証明のため、食事であれば同席した人の名前を控えておくことは必要ですが)
個人事業主で会食が多いとは言え、プライベートの食事が全くないわけではありません。
「家族の人数的に通常の食費はこの程度」というのは分かると思いますし、平均的な金額で食費や遊びの支出がプライベートとして管理されていれば、経費に紛れ込ませていると言う疑いは少なくなるでしょう。
逆に言えば、食費などがかなり少なければ、怪しまれることになるのですが・・・
ちなみに、税務調査ではプライベートの支出についても説明することで、是認(追徴課税なし)となりました。
経費になるレシートだけでなく、経費にならないレシートも保管しておくことの意味もあるんですよ。
事業とプライベートの線引きをどうするか
個人事業主であれば、仕事とプライベートの線引きはかなり曖昧ですし、仕事が好きであればあるほど遊びも仕事に変えてしまうと言う部分があると思います。
しかし、「人生の全部が仕事だ!!」と言うのは税務署には通らない論理です。
そのため、一定のラインで事業とプライベートの線引きをしておく必要があると思います。
その線引きは、感覚的なものではなく、なるべく具体的に説明できるようにしておくのがベターです。
いくつかの業種で線引きを考えてみましょう。
ライター業の場合
ライターさんは、取材のための交通費や交際費、研究のための図書費などが比較的多くなると思います。
例えば、有償の仕事の取材費用については経費にするが、ブログ記事だけを書いたのであればプライベートにする、などでしょうか。
これも、アフィリエイト収入などがあれば経費として認められる場合もあるので、状況に合わせて考える必要はあるのですが。
美容師などの場合
美容師さんなどは、毎日お客さんの前に立つ仕事ですが、スーツや作業着など、分かりやすい「仕事の服」というものは無いと思います。
こういった場合でも、「仕事用の服」と「プライベートの服」を分けることで経費として認められやすくなると思います。
ブログやSNSなどを活用している美容師さんであれば、仕事やプライベートの写真をアップすることで、実際に何を着ているかの証拠にもなります。
交際費が多い業種の場合
ポイントは、誰と食事をした場合に経費にするかを決めておくことです。
当たり前ですが「何でもかんでも経費にしてしまえ!」というのは論外です。
・こういった人は経費にする
・こういった人は経費にしない
というルール作りをしておくことは必要だと思います。
あと、これは結果論ですが、経費にしていない飲食費が一定金額あることで調査官の印象もだいぶ変わると思います。
さすがに全ての飲食費が経費になる、という人はいないでしょうから。
まとめ
事業のレシートだけでなく、プライベートのレシートまで保管する意味がある事はお分かりいただけましたか。
税務調査で余計な指摘を避けるためにも、作れる証拠は作っておいた方が良いと思います。
経費として認められないレシートを証拠にすることで、経費として認められるべきレシートを認めてもらう、ということです。
ただし、プライベートの支出については、家計簿までつけなくても、大雑把に分類して封筒に入れておくと言うだけで大丈夫です。
レシートの整理の労力は最低限にしておいて、自分の本業に時間を使ったほうがよっぽど有効な時間の使い方ですから。
無理のない範囲で、最低限の証拠を残しておきましょう。
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