【年末調整チェック者向け】寡婦・寡夫控除って?〜基本から気を付けるポイントまで〜

離婚や死別によって独り身になった人に適用される寡婦・寡夫控除。

女性と男性で適用条件に差がある・未婚のひとり親には適用されないなど、制度に疑問を持つ人も多いもの。

ここで知識を整理しておきましょう。

寡婦・寡夫控除とは?

寡婦控除は1951年に戦争によって旦那さんを亡くした奥さんを救済する目的で導入された制度です。

こういった成り立ちなので、未婚のひとり親への適用はなく、当時の時代情勢から女性の保護を手厚くするという点で女性(寡婦)を男性(寡夫)よりも適用しやすくしたり控除額を大きくしたりという差が付いています。

現在の寡婦・寡夫控除の控除額と適用要件は次の通りです。

区分 控除額
一般の寡婦 27万円
特別の寡婦 35万円

一般の寡婦(寡夫)とは?

一般の寡婦(寡夫)に該当するかどうかは女性と男性で条件が異なります。

それぞれの条件を整理してみましょう。

①女性(寡婦)の場合

12月31日時点で次のいずれかの状況の人をいいます。

・夫と死別または離婚*してから再婚をしていない人で扶養親族や同一生計の子どもがいる場合

・夫と死別してから再婚をしていない人で、その年の合計所得金額が500万円以下の人

なお、いずれの場合も配偶者の生死が不明の場合も含まれます。

②男性(寡夫)の場合

男性の場合は次の条件に該当する場合にのみ寡夫に該当します。

・妻と死別または離婚*してから再婚をしていない人で、扶養対象の子どもがおり、その年の合計所得金額が500万円以下の人

死別または離婚とは?

 

ここでいう死別または離婚とは、法律婚を経験した後の死別または離婚に限られます。

そのため、内縁関係で相手と死別したりお別れをした場合は該当しません。

 

また、死別、離婚に加えて生死が明らかでない場合も該当します。

生死が明らかでない場合とは、

 

・太平洋戦争終結時に陸海軍に属していた人で、まだ国内に帰らない人

・船舶が沈没などして行方不明になった人

・航空機が墜落などして行方不明になった人

・死亡の原因となるような危険に遭遇して、一年以上生死が明らかでない人

・3年以上、生死が明らかでない人

 

が該当します。

制度の導入に戦争があったことが分かりますよね。

特別の寡婦とは?

特別の寡婦は、女性のみの制度で、男性には適用がありません。

寡婦に該当する女性のうち、次の全ての要件を満たせば特別の寡婦となります。

・扶養対象の子どもがいる

・合計所得金額が500万円以下

女性と男性の条件をそれぞれ図にすると次のようになります。

・女性の場合

・男性の場合

フローチャートを見ても分かりますが、男性の方が条件が厳しいですよね。

離婚してもバリバリ稼いでいる女性もいるし、ひとり親で子育てをするのは男性も女性もないと思うのですが・・・

扶養控除等申告書の記入方法

寡婦・寡夫控除は、扶養控除等申告書の以下の箇所に記入します。

寡婦、特別の寡婦、寡夫という欄があるので、そこにチェックします。

そして、該当する要件(所得や扶養している子どもの名前など)を「左記の内容」の欄に記入します。

寡婦・寡夫控除の注意点

寡婦・寡夫控除の特徴としては男性と女性で適用できる条件が違うということがあります。

また、女性の場合は所得や扶養する子どもによって特別の寡婦という控除もあるため、適切に判断する必要があります。

そもそものチェック漏れ

割と見かけますが、離婚歴があって扶養する子どももいるのにチェックされていない扶養控除等申告書があったりします。

特に、男性の場合は条件に当てはまるのにチェックがない場合が多いです。そもそも制度を知らないんでしょうか…

女性の場合は未婚のシングルマザーという場合もあるので確認が必要ですが、配偶者なし&子どもありの場合は注意しましょう。

また、年の途中に旦那さんが亡くなった場合も寡婦に該当する場合が多いです。

前年の扶養控除等申告書が配偶者ありで、今年は配偶者なしになっている場合は適用漏れになっていないか注意しましょう。

寡婦と特別の寡婦の選択誤り

配偶者なし&子どもありの場合、所得が500万円以下であれば特別の寡婦に該当します。

本来は特別の寡婦に該当するにも関わらず、寡婦にチェックがある場合もよく見かけます。

給与収入が6,888,889円以下であれば所得500万円以下になりますので、特別の寡婦の適用漏れがないか確認しておきましょう。

副業などがなければ、年末調整の時点で所得の判断はほぼできますよね。

まとめ

寡婦・寡夫控除についてチェックすべきポイントは次のとおりです。

・男性と女性で適用できる条件が違う

・適用漏れ、適用誤りが多いので、扶養控除申告書の情報をきちんとチェック

・その年に旦那さんが亡くなった場合の適用漏れがとても多い

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