こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
サービス業で独立すると「タダでサービスをねだられる問題」に直面する人も多いのではないでしょうか。
これは私にとっても以前からの悩み、というか課題だった訳ですが、先日税理士の入野さんがこんな記事を書かれていました。
「俺の知識はタダじゃない。命と娘と妻の次に大切なメシの種。」
タイトルを見た瞬間、「あぁ、分かる分かる」となりまして。
読んでみても、やっぱり納得でした。
とは言え、私は場合によっては無料で対応することもありますし、その辺りの考えを整理しておこうかな、と。
基本的に無料対応をお断りする理由
この辺りは入野さんと同じで、「うちの商品って何だと思ってんの?」って話です。
収入の大半は税理士関連のお仕事ですし、単発相談では時間単価を決めてお受けしています。
言うなれば、知識と時間を使って商売している訳です。
「タダで対応してくれ」というのは、経営資源の知識と時間をダブルで奪う行為でして、その辺分かってます?ってことですよね。
(真正面から「タダでやって」と言われなくとも、言い方や雰囲気で伝わって来る場合も含めて)
この辺りは説明すれば納得して頂けるとかな、とは思います。
まぁ、「そんなケチなこと言いやがって」と思ってる人もいるでしょうが、私はそれで良いんですよね。
目の前の仕事として「いや、タダっておかしくない?」という理由はもちろんとして、もう一つの理由として「くれくれ精神の人を排除している」ということがあります。
私が仕事でお付き合いする層は経営者だったりフリーランスです。
・知識はタダでゲットしたい
・ビジネスパートナーに対するリスペクトがない
こんな人が継続的にビジネスで稼げると思います?
知識をタダで得ようとするということは、投資するという意識がない人です。
相手の商品に対して平気で「タダで」と言えてしまうのは、相手へのリスペクトがない証拠でしょう。
これじゃ成長しないし、自分でビジネスを作って行くことは難しいんじゃないかな、と。
こんな「くれくれマインド」の人に付いて来られても迷惑なだけなので、入り口の段階でシャットアウトするのが私の判断です。
「お前、ソーシャルとか言って金のことしか考えてないのか!」と言うツッコミがあるかもしれませんが、そんな人を相手にするつもりはないので、そっとページを閉じて頂ければ。
私のプロフィールに今のスタイルで仕事をしている理由を書いていますので、気になる方はご覧いただければ、理由が分かると思います。
たまにはタダでも対応する理由
飲食店でも常連になると
・いい酒入ったからちょっと飲んでみる?
・この瓶だと1合取れないから飲んでって!
・刺し盛りちょっと多めにしといたわ!
といったサービスを受けることがあります。(全て実話)
これは、お店とお客さんとの信頼関係があるからこそ、だと思うんですよね。
・継続的にお店に行く
・面倒くさいお客じゃない(他のお客さんや店員さんに迷惑をかけない)
ということで信頼関係が作られていく訳です。
税理士業で言えば、顧問先に対して本来は有料のサービスを追加料金なしで対応する、みたいな話でしょうか。
これが無料の典型的な一つのパターンです。
あとは、フロントエンドとして無料サービスを位置付けている場合です。
無料体験とか、無料の試供品とか、そういったイメージですね。
税理士のサービスで言えば「初回の相談は無料」、「無料セミナー」みたいなものがここでしょう。
こんな感じで、無料にはちゃんと理由があるんですよ。
例えばあたなが飲食店オーナーだとして、一度会っただけの人が
「この前会ったからタダでご飯食べさせてよ!」
って言って来たら追い出しますよね?
サービス業だって一緒です。
タダならタダなりの理由がある訳です。
私の場合、
・顧問先に対しては業務範囲を超えて首を突っ込むタイプ(そもそも、そういうスタンスで契約している)
・無料のフロントエンド商品はなし(くれくれタイプの人を排除するため)
・仕事以外の関係性も含めて手を差し伸べたくなれば無料で対応する(もちろん限度あり)
といった感じでしょうか。
最後の無料対応は書いていることと矛盾するようですが、関係性が出来ている人ですし、人情みたいなもんですかね。
他のところでお世話になっているし、という感じです。
「信用残高」論に言い訳をしない
例えばキンコンの西野さんなんかが「信用残高」論を話されてますよね。
これからの時代はお金だけでなく、信用が数値化される社会だ、というアレです。
言ってることは正しいと思いますし、世の中の方向性としては歓迎すべき流れだと思っています。
でも、一般人は信用残高だけじゃ生きていけないと思っています。
私も含めてですが、いくら徳を積んだところで、西野さんやホリエモンみたいなインフルエンサーにはなかなかなれません。
(少なくとも、私はそのポジションに行きたい訳でもなく、そんなキャラではないと思っている)
「信用残高が大事だから相手にgiveしまくるんだ!」と言ってる人の多くはまともな値付けして失注するリスクに言い訳をしているだけなんじゃないかと。
giveしまくる→信用残高が増える→信用残高をマネタイズする
という流れをイメージしているならともかく、ビジョンすら持たず無料で自分のサービスを振る舞うのは自分の弱腰に対する言い訳でしかありません。
個人的には、今まで貨幣経済が80%、非貨幣経済が20%で生活していた人が、60%と40%で生活できるようになる、みたいな未来はあり得ると思っていますけどね。
(非貨幣経済は、近所から野菜をもらうとか、近所に子守りを頼むとか、それこそ信用で成り立つものです)
そういう意味では、単発相談の報酬が現金以外でも良いかな、なんて思ったりしています。
(精米したてのお米あげるから、ちょっと相談させて、とか)
まとめ
私のスタンスは、タダに群がる人を排除しつつ、感情的なところも含めて無料対応もアリ、という感じです。
ただ、依頼する側としては「タダで当然」なんて思わない方が良いのは当然のことで。
物にしてもサービスにしても、無料で差し上げるかは関係性や状況を踏まえて提供者が決めるもの。
提供を受ける側は「これぐらいだしタダでしょ」みたいな感じで話さない方が結果的には良い買い物できると思います。— 税理士 金子尚弘 / Kaneko Naohiro (@innovator_nao) August 1, 2019
少し前につぶやいたんですが、「タダでよろしく」みたいな空気が見え隠れすると、サービス提供者ってテンションが下がると思うんですよ。
税理士に限らず、色々なサービス業(特に知識を提供しているお仕事)にはきちんとお金を払うという当たり前の前提で接するべきですし、結果的にはその方がトータルの満足度は上がるはずです。
少なくとも私は、頂いた報酬以上に満足してもらいたいと思って仕事しますから。
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