こんにちは、ソーシャル税理士の金子@innovator_naoです。
個人事業主が頭を悩ませるポイントに「源泉所得税」があると思います。
源泉徴収ってややこしいことも多いので
・そもそも源泉って必要なの?
・源泉徴収の金額って税抜か税込どちらで計算するの?
など、疑問に感じることも多いですよね。
「あまり気にしていなかった」という方も多いかもしれませんが、改めて整理しておきましょう。
なお、源泉徴収の仕組みや基本的な知識はこちらの記事で解説しています。
参考 源泉所得税の仕組みとは?〜「個人事業主は必ず源泉される」は間違い〜ソーシャル税理士金子尚弘のページContents
源泉所得税は税込と税抜のどちらでも良い
結論はタイトルの通り「どっちでも良い」です。
ただ、正確に説明すると税込金額に対して源泉徴収をすることが原則となります。
税抜金額で計算して良いのは、請求書に税抜金額が明記されている場合になります。
ほとんどの場合で請求書に税抜金額も記載されていると思いますので、税抜金額に対して源泉徴収をしている方が多いのかな、と思います。
請求書の記載方法を紹介します
ここで、いくつか具体例を見て考えてみましょう。
例としては、個人事業主が講演料10万円(税込で11万円)を請求する場合です。
・税抜金額も記載されている場合
・税込金額のみ記載されている場合
のそれぞれを見てみましょう。
税抜金額を記載している場合の請求書
講演料10万円と消費税1万円の合計11万円を請求する場合を見てみましょう。
具体的な請求書の記載方法も貼っておきますので、参考にして頂ければ。
この場合の源泉徴収する金額は、次のいずれかの金額となります。
①税抜金額で源泉徴収する場合
源泉所得税:100,000円× 10.21% = 10,210円
請求額:100,000円+10,000円ー10,210円=99,790円
②税込金額で源泉徴収する場合
源泉所得税:110,000円× 10.21% =11,231円
請求額:100,000円+10,000円ー11,231円=98,769円
税込金額のみ記載されている場合
請求書のレイアウトによっては税込金額しか記載していない方もいらっしゃいます。
システムを使っている場合はあまり見掛けませんが、Excelなどで自作している方にはいらっしゃる印象です。
この場合は税込金額をベースに計算する方法しか認められませんので、上記②「税込で源泉徴収する場合」と同じ金額になります。
(例外)請求書を発行しない場合
自治体などの公的機関から仕事を受ける場合や出版社などから原稿の依頼を受けた場合などは、請求書を発行するのではなく「支払通知書」などを相手から受け取ることも多いと思います。
このような場合は、税込金額で源泉徴収をするか税抜金額で源泉徴収をするかは発注者の判断ということになります。
税抜で計算して「何か金額の計算が合わないな」と思ったら税込金額でも計算してみるなどして確認してみてください。
まとめ
このように、源泉徴収する金額は請求書の書き方によって変わる場合があります。
多くの方は税抜金額も表記した請求書を作成していると思いますので、税抜で計算した方が良いのではないかと思います。その方が手取りが多くなりますしね。
ちなみに、請求システムでは源泉税は自動計算される場合がほとんどなので、基本的にはその計算結果通りに請求すればOKです。
Excelなどで作成している方は計算ミスに注意してくださいね。
なお、この内容を動画でも解説しているので、よろしければご覧ください。
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