こんにちは、ソーシャル税理士の金子@innovator_naoです。
ふるさと納税のポータルサイトふるさとプレミアムを見ているとこんな企画が。
なんと、Amazonギフト券がもらえるというキャンペーンです。
ふるさと納税ってAmazonギフト券とかダメになったんじゃ無いの?
と思った人もいませんか?
そうそう、去年までふるさと納税をしてたあなたです。
しかし、この制度には思わぬ抜け穴があったのです。
ここでは、この制度の抜け穴と今回の企画の裏側について見てみたいと思います。
現行のふるさと納税制度をざっくり確認
改めて、現行のふるさと納税について確認しておきましょう。
ふるさと納税の適用対象になるのは
①返礼品は地場産品であること
②返礼品の調達額は寄付額の3割以下
③返礼品を強調した宣伝広告をしない
という条件を満たした自治体です。
そのため、条件に合致しない運用していた大阪の泉佐野市などが制度から除外されることに。
でも、何で今回のキャンペーンは認められるの?
って思いますよね。
そのヒントに、仲介業者の存在があります。
今回のふるさとプレミアムや、さとふる、ふるさとチョイスなどのサイトのことです。
このように、実は寄付者と自治体以外に仲介業者も制度に関わっているのです。
まずは、一般的なふるさと納税のお金の流れと規制されたポイントを整理してみます。
今の制度でもAmazonギフト券を渡せる理由と問題点
行き過ぎた返礼品競争に歯止めをかけるこの規制ですが、思わぬところに抜け穴がありました。
図にすると、こういうことです。
仲介業者への手数料割合にも、仲介業者が寄付者へリターンを出すことも規制されていません。
おぉーい!ザル法やんけー!!
泉佐野市などは自治体が直接渡す返礼品の割合が高かったり、地場産品以外の物を選択できるようにしたことが問題となり、制度から外されました。
でも、このAmazonギフト券のキャンペーンって実質的には同じことですよね?
私の感想を一言で言えば、こんな感じです。
自治体ではなく、仲介業者がAmazonギフト券を配るという抜け道キタコレ。
馬鹿正直に突撃した泉佐野市がさすがに不憫(´・_・`)→【最大20%がもらえる!】Amazonギフト券プレゼントキャンペーン | ふるさと納税サイト「ふるさとプレミアム」 https://t.co/MwtfwFgH4H
— 税理士 金子尚弘 / Kaneko Naohiro (@innovator_nao) October 4, 2019
先陣切って返礼品を大盤振る舞いした上に総務省に突撃して憤死した泉佐野市がさすがに不憫でございます・・・
そして、この裏技にはもう一つの問題点があると思います。
それは、
仲介業者への手数料が引き上げられている可能性がある
ということです。
寄付額の20%がAmazonギフト券で還元される訳です。
どう考えても、それ以上の手数料が自治体から仲介業者に支払われています。
(赤字になってまで仲介業者がキャンペーンなんてやる訳がない)
例えば、1万円の寄付であれば、少なくとも2000円以上の金額が仲介業者に支払われていることになります。
つまり、このような裏技が行われるようになると、ふるさと納税で自治体に入る寄付の額も少なくなってしまうということです。
まとめ
この裏技を「お得だ!」と思うのか「さすがにやり過ぎじゃない?」と思うのかは人によってそれぞれでしょう。
ただ、個人的な意見を言わせて頂ければ
どこまで自治体から吸い取ろうとしてんの?いい加減にしたら?
ってところです。
あと、
こんなキャンペーンに乗っかる自治体ってどうなん?
って感じですかね。
もっと寄付金の使い道やをアピールしたり、違った形で寄付を集めることもできるでしょう。
このキャンペーンに乗っかるのは、粋か無粋かで言えば、後者でしょうね。
まぁ、先立つ物は金という言葉もありますが。
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