こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
今日は、とあるご縁で事業承継のセミナーに参加してきました。
保険会社の方と資産税を専門にされている税理士の方との2人でのセミナーで、保険会社が主催のセミナーですので、参加費は無料というもの。
このセミナーはとても良いものでしたが、中には気を付けたいセミナーがあるのも事実です。
経営者がセミナーや営業トークに対して気を付けるべきポイントを考えてみたいと思います。
無料セミナーを受ける際に気を付けたいこと
経営者であれば、いろいろなセミナーの案内を受けることがあり、実際にいくつかセミナーに参加されたことがあると言う方がほとんどではないでしょうか。
参加費が無料または格安のセミナーは、基本的には営業の一環で実施されています。
そのため、セミナーをきっかけにして個別相談やメインのサービスの契約につなげることが目的の一つでしょう。(趣味でセミナーをやっているわけではありませんし)
無料のセミナーであれば、当然ながら参加者は「見込み顧客」である訳です。
主催者としては次へ繋がるきっかけが欲しい訳で、営業色が強くなってしまうセミナーもあるでしょう。
これで営業面談のアポを決め、押し売りをされ・・・
ということになっては「タダより高いものはない」状態になってしまいます。
こんなことにならないために、無料セミナーを聴く際に意識して頂きたい点があります。
それは、「リスクやデメリットの話をしているか」ということ。
成果につなげたいと言う意識が強すぎる主催者の場合、紹介する情報(多くは自社の商品)のデメリットを伝えない場合もあったりします。
専門家が講師をしているわけで、当然ながら提供する情報のデメリットも把握しているはずです。
それでいてデメリットの部分を話さないのは悪質ですし、本当に知らなければ専門家とは言えないでしょう。
本当に顧客のことを考えた専門家であれば、情報のリスク・デメリットをきちんと伝えているはずです。
営業DMやトークにも慎重に
気を付けるべきは、無料セミナーだけではありません。
士業の事務所やコンサルティング会社などからの営業を受けることもあるでしょう。
営業DMには
・専門家だけが知ってる節税策
・◯◯だから知っている裏ワザ
・元国税職員が教える◯◯
など、ついつい話を聞きたくなるキーワードが散りばめられています。
もちろん、条件が合えばメリットを受けられる場合もありますが、何でもかんでも飛び付くのも考えものです。
これで資料請求をすれば営業電話や訪問に繋がる訳ですが、営業のキーワードに反応する前に
・顧問の税理士や社労士に聞いてみる
というワンクッションを置いてみるのも良いと思います。
本屋に行けば「節税」というキーワードの本が山のようにありますが、書いてある内容はどれもほぼ同じです。
説明は著者によって様々なので、分かりやすい本を探すことは大切でしょうが、多くを期待するのも間違っていると思います。
合法的に節税をする方法なんて限られているので、「この人だからできる節税」なんて世の中にはありませんから。
そのため、「こんなDMが来たんだけど、どんなことか分かりますか?」と聞けば、多くの専門家であれば大体の見当は付くというものです。
提案を受けたら「デメリットはありますか?」と聞いてみよう
これはセミナーでも、営業でも、顧問税理士からの提案にも共通することですが、提案に対して
「デメリットやリスクはありますか?」
と聞いてみてください。
先ほども説明した通り、何かしらの策を打てば、それに対するデメリットやリスクは存在するものです。
いくつか例を挙げて考えてみましょう。
①NISA口座の場合
証券会社や銀行からNISA口座の開設を勧められた経験のある方もいると思います。
その時に「利益には税金が掛かりませんが、損失が出ても損益通算や損失の繰越はできません。」という説明があったかどうか。
②役員報酬を増額する場合
法人税を圧縮するために役員報酬を増額するということもあるでしょう。
その時に「社長の所得税・住民税・社会保険が◯◯円増えるので、手取りは◯◯円しか増えません。」という説明があったかどうか。
③不動産の営業を受ける場合
「節税になるから」とワンルームマンションなどの投資の電話を受けたことがあるかもしれません。
その時に「節税になりますが、投資してしばらくは手取りが減少します。」という説明があったかどうか。
などなど、世の中に溢れる「節税策」には良い面もあれば悪い面もあるものです。
もしもバラ色のような提案を受けたら「デメリット」や「リスク」について確認してみてください。
まとめ
繰り返しになりますが、メリットだけの節税策や事業承継対策なんて存在しません。
特に事業承継は想定通りに物事が進まない可能性もありますし、様々なパターンを想定してより納得感のある選択肢を取るべきでしょう。
経営者の方は
・リスク、デメリットの説明があるか
・長期的な話があるか
といった点を専門家を評価する一つの指標にしても良いと思います。
顧問税理士から「リスク」や「将来」の話を聞いていますか?
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