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税理士が顧問先に伝えるべきこと〜時間軸を長く持ち、将来のリスクも考える〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

先日、無料のセミナーを受講する機会があり、経営者がセミナーに参加する場合に気を付けるべき記事を書きました。

参考 無料セミナーで騙されないために持ちたい目線〜本当の専門家はコレを伝える〜ソーシャル税理士金子尚弘のページ

ここでは、専門家の立場でセミナーでの伝え方やクライアントへの説明で大切だと思うことを書きたいと思います。

営業セミナーで何を伝えるべきか

税理士などの専門家が無料ないしは格安の参加費でセミナーを開催することもあると思います。

当然ながら無料セミナーは営業目的ですから、参加者の満足度を高くして自分を魅力的に感じてもらわなければいけません。

そのため、やたらと良いことばかり言うセミナーもある訳ですが、私はあえて「都合の悪い情報」も伝えるべきだと考えています。

例えば

・ある税制を選択する際のリスクをきちんと説明する

・目先の効果だけではなく、全体への影響も説明する

といったところです。

具体的に言えば、

・経営力強化税制のB類型は顧客の作業時間が取られ、別途報酬が発生する場合が多い

・事業承継税制では納税猶予の取り消しのリスクがある

・生命保険の法人から個人への名義変更スキームは将来封じられている可能性がある

といったようなところでしょうか。

これは新規のお客様への営業でも同じだと思います。

聞き手にとって都合が良い情報しか伝えないのであれば、後々のトラブルの原因になるだけでなく、招かれざる客を引き入れてしまうことだってあると思うのです。

自分にとって耳ざわりの良い情報に飛び付く人の中には、事業であれこれ手を出して失敗していたり、クレーマー気質の人が混ざっている可能性も。

税理士は経営者に数字を通して現実を伝え、改善策を検討することはできますが、経営者のマインドがズレていれば、いずれ事業はジリ貧になります。

経営者は決断することが仕事とも言われますが、それは何も考えずに良い話に飛び付くものとは違います。

きちんと判断材料を揃えて、検討した上で決断するのが正しい経営者でしょう。

そういった方と仕事をするために、あえて耳ざわりの悪いことも伝えて招かれざる客をスクリーニングしているイメージです。

税理士が伝えなければならないこと

例えば、目の前に1万円札があり、毎月1枚ずつ増えて行くとします。

・これには1万円の価値がある

・福沢諭吉が描かれている

というのは誰にでもわかる話です。

しかし、毎月毎月積み上げて行ったら・・・

数年すればかなりの分厚さになっているはずです。

専門家であれば、時間軸を長く持った上で将来何が起こるかを想像しながら話をするべきなのかな、と。

少なくとも提案する選択肢について

・効果が出る場合とそうでない場合

・選択した場合のメリットやデメリット

もきちんと踏まえた上で話すべきだと思います。

税理士も同じであって、目の前の決算だけを見ていては本当にクライアントのためになる提案はできないでしょう。

社長は「節税したい」と言うかもしれませんが、本当に「節税」が「目的」なんでしょうか。

私はそうではないと思います。

社長は「節税すればお金が手元に残る」と思っているから「節税したい」と言うのではないでしょうか。

(中には「こんな国のために税金を払うのは許せない」という国家観をお持ちの方もいるかもしれませんが・・・)

特に、保険や相続、事業承継対策は長期間かけて考えないと様々なリスクは見えません。

目先の決算のために節税保険を勧めるなど、手元の1万円札を1枚しか見ていないようなもので、専門家の提案とは思えません。

お札が積み上がった時のことまで考えて物事を考えるのが本当の専門家だと思いますよ。

まとめ

先日のセミナーを受けてこのようなことを考えた訳ですが、このセミナーはとても良いものでした。

事業承継をテーマにしたセミナーでしたが、

・事業承継税制

・組織再編を使った株価引き下げ

などといった怪しいコンサルが好きそうなネタもきちんとリスクの説明をされていました。

保険の営業マンに良い印象がない方もいるかもしれませんが、こういった長期的な目線を持った営業の方が増えるともっと業界も良くなると思ったりします。

専門家であれば、時間軸を長く持ち、色々な自体を想定しながらクライアントのことを考えるべきですよね。

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