こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
今年も年末調整の季節が近付いてきました。
毎年、年末が近づくと勤務先から年末調整用の紙が配られると思います。
1つの会社にしか勤めていなければ、その会社に出せば良いのですが、複数の会社を掛け持ちで働いている場合は悩むこともあると思います。
そんなパラレルキャリアの方向けに年末調整のお話をしたいと思います。
扶養控除申告書とは?
扶養控除申告書とは、自分や扶養の対象になる家族の情報を書いて勤務先に提出するものです。
こんな書類です。見たことありますよね?
ところで、この書類の意味はご存知ですか?
扶養控除申告書を提出するかしないかで、月々のお給料から引かれる源泉所得税の金額が変わります!
提出すれば甲欄という少ない金額で、提出しなければ乙欄という多めの金額で源泉徴収されることになります。
パラレルキャリアの方は確定申告が必要な方がほとんどなので、最終的には確定申告で精算されますが、月々の手取りが変わる可能性があるので、きちんと書いて提出しましょう。
また、扶養控除申告書が出ていないと年末調整の対象外になるので、勤務先が1つであっても確定申告が必要になります。
2つ以上の仕事をしている場合
扶養控除申告書は、1つの勤務先にしか提出できません。
そのため、複数の会社を掛け持ちしている場合はメインの職場(通常は一番お給料が高い職場)に提出することになります。
メインの職場以外では乙欄で源泉徴収されることになるため、全ての職場のお給料を合算して確定申告をすることになります。
ちなみに、扶養控除申告書を提出していた会社を退職した場合には、退職後に別の会社に扶養控除申告書を提出することができます。
メインの職場が分からない場合
年末調整の制度が法律で定められたのは1951年で、なんと60年以上も前の話。
当時は今のようなパラレルキャリアなんて概念も存在しなかったことでしょう。
扶養控除申告書ですが、法律上はメインの職場に「提出しなければならない」と書かれています。(正確には、職場を通して税務署に提出しなければならない、となっています)
そのため、どこかの会社には提出することになるのですが、ここで悩む人も出てくるでしょう。
例えば二つの会社に勤務して、それぞれ出勤日数も給与もほぼ同じという状況だとします。
そうなると、どっちがメインだか分からないという状況になりますが、結論としては「どちらでも良い」ということになります。
国税庁の説明では、主たる給与とは、扶養控除申告書を提出した者に支払う給与、となっています。
*主たる給与とは、メインの職場からもらう給与のことです
つまり、どちらであっても扶養控除申告書を出してしまえば、そちらがメインになるということですね。
明らかにメインという会社があればそちらに、迷えばどこか1つに出しておきましょう。
まとめ
パラレルキャリアの方は業務委託など、自分の事業として複数のプロジェクトに絡んでいる場合も多いと思います。
そんな方は年末調整とは無縁ですが、従業員やアルバイト契約で複数の仕事をしている方は必ず登場するのが年末調整です。
「知らずに全部の職場に扶養控除申告書を出していた」という人もいますし、正しい知識で年末調整と確定申告をして行きましょう。
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