こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
先日、こんなニュースを見かけました。
何でも、大阪市が保育士確保の策として、USJの年間パス費用や地元への帰省費用を補助するんだとか。
個人的にはかなりの愚策だと思いますが、その理由も含めて解説したいと思います。
USJの年間パスを貰ったら税金が掛かる?!
結論から言うと、年間パス費用も実家への帰省費用もお給料として所得税・住民税の課税対象となります!
税金の対象となるのはお金だけはありません。
何かしらの形で従業員が利益を受けるものは原則として課税の対象となります。
そのため、USJの年間パスを補助しても、帰省費用を補助しても保育士の税金は増えてまう、と言う訳です。
例えば、こんなものが課税対象となります。
・成績優秀者へ商品券を支給した場合
・遠方の出身者への帰省費用の補助
・食事の無償提供(残業など一定の場合は非課税です)
・定価から30%以上値引きした場合の社員割引
・特定の人に限定した社員旅行
などなど、「何かを貰った」だけではなく、値引きなどの経済的利益も課税対象となる場合があります。
【非課税となる主なもの】
・残業に伴う食事の補助
・半額以上従業員が負担した場合の食事補助(ただし、補助相当額が月間3500円まで)
・全員が参加する社員旅行
・制服など、仕事でしか使えないものの支給
このように、負担が少額であったり、全員に平等に行う福利厚生などは非課税で良いことになっています。
実質的には保育士ではなくUSJへの補助金?
この制度、保育士への福利厚生として導入するようですが、お金の流れとしては次のようになります。
恐らく、年間パスの領収証などを提示して補助を受けるような流れになるのでしょう。
見ていただければ分かると思いますが、お金の出発点が大阪市で、ゴールはUSJです。
これって、USJへの補助金なんじゃ・・・
保育士としても課税されてしまいますし、USJの年間パスが不要であればメリットはありません。
また、帰省費用も申請には電車や飛行機などの領収証を添付して申請という流れになるでしょうし、手間が掛かるし帰省しなければメリットはないでしょう。
だったら基本給上げてあげようよ!
まとめ
良かれと思って発案した福利厚生や社員サービスが実は税金の課税対象だった!
となると、従業員の方としても損したような気分になってしまいます。
福利厚生であれば非課税となる制度を活用するなど、税金の負担がない形で従業員へ還元できればベストですよね。
色々な事例を見ていると、「どうせ税金が掛かるならお金で欲しい」という従業員が多いと思います。
私も勤務時代の社内表彰で商品券を貰いましたが、しっかり課税対象になっていましたし、どうせなら現金でくれれば・・・と思ったものです。笑
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