こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
新型コロナウイルスの影響を受けている事業者に対して持続化給付金や、都道府県の要請で休業した事業者に対しては休業補償の協力金が支払われるなどの対策が取られています。
休業協力金については、各自治体が休業要請をした事業者に対して休業補償を行うもので、50万円〜100万円という自治体が多いと思います。
ところで、これらの給付金や協力金に対して税金はかかるでしょうか?
とある事業主
持続化給付金・休業補償ともに課税されます〜個人・法人の場合を解説します〜
残念な結論ですが、いずれの交付金についても課税対象になります。
私のまわりにも協力金を受け取る予定の人もいるでしょうが、課税対象になります。
念のため周知!感染拡大防止協力金における税務上の取扱いについて|東京都産業労働局 https://t.co/wBbJa3sZFD
— かねこなおひろ@子育て中 (@innovator_nao) April 22, 2020
このツイートでもご案内しましたが、東京都から「感染拡大防止協力金における税務上の取扱いについて」の発表がありました。
こちらの発表の通り、非課税になるように要望したものの、法律的に判断すると課税対象になるという判断になっています。
また、この発表は休業補償の協力金に対するものですが、持続化給付金についても同様の判断になると考えられます。
では、実際にはどのように会計処理をすれば良いのでしょうか?
個人と法人に分けて解説したいと思います。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、「雑収入」として事業所得の収入に含まれることとなります。
そのため、2020年分の確定申告(2021年3月期限)に含めて申告する必要があります。
なお、消費税については「不課税」となります。
法人の場合
法人の場合、営業外収益または特別利益に含まれることとなります。
そのため、給付金などの支給が決定した時点の収入(益金)となります。
なお、消費税については個人事業と同様に「不課税」となります。
給付金や協力金が課税になる理由
事業者にとっては
コロナで困ってるのに課税されるなんて信じられない!!
とお怒りの方もいると思います。
気持ちはよく分かるんですが、専門家的な目線で見ると「妥当な結論」ということになるんですよね。
その理由に
給付金や協力金は売上の減少を補助する目的だから
というものがあります。
普通に営業していたら発生したであろう売上がコロナの影響で減ってしまった訳ですよね。
給付金や協力金は減った売上を穴埋めする性格のものなので、売上と同じように課税対象にになるという結論になります。
ちなみに、消費税については何かを売って得たお金ではないので、通常の売上とは異なり、課税対象外となります。
【専門家向けの補足】
このような判断になる根拠としては、所得税法施行令94条2項が挙げられます。
一覧の給付金・協力金もこの範疇に入るのではないかと考えています。
(事業所得の収入金額とされる保険金等)
第九十四条 不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を行なう居住者が受ける次に掲げるもので、その業務の遂行により生ずべきこれらの所得に係る収入金額に代わる性質を有するものは、これらの所得に係る収入金額とする。
一 当該業務に係るたな卸資産・・・につき損失を受けたことにより取得する保険金、損害賠償金、見舞金その他これらに類するもの
二 当該業務の全部又は一部の休止、転換又は廃止その他の事由により当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するもの
まとめ
こんな大変な時に給付金まで課税するのかよ!!!!!
という気持ちは分かるんですが、法律上このような結論になるのはやむを得ない部分があります。
(もちろん、法律を改正して特例的に非課税にすることも出来る訳ですが)
確定申告の際に漏れがないように注意してください。
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