こんにちは、freee大好き税理士の金子(@innovator_nao)です。
今回、フリーの料金体系やプラン内容が変更されることとなりました。
freeeによる公式リリースはこちら。
2020年2月に予定されている変更では、ベーシックプランで影響が大きく出ると思われます。
今回のプラン変更についての解説をしていきます。
なお、当初の発表からは機能制限が緩和されるなどfreee側も動いて頂きました。
この場でも感謝を申し上げます。
Contents
主な変更内容①〜個人プランの料金体系〜
個人事業主向けのプランが2020年5月より値上げされます。
現状と改正後を比較すると次のようになります。
・現状
スターター:月額980円(年払いの場合は年額9,792円)
スタンダード:月額1,980円(年払いの場合は年額19,800円)
プレミアム:年額39,800円(年払いプランのみ)
*freee公式サイトより転載
・変更後
スターター:月額1,180円(年払いの場合は年額11,760円)
スタンダード:月額2,380円(年払いの場合は年額23,760円)
プレミアム:年額39,800円(年払いプランのみ)
個人事業主の場合は、料金の値上がりのみで、機能面での変更はありません。
スターターで年額2,000円程度、スタンダードで年額4,000円程度の値上げとなっています。
個人的には許容範囲だと思います。
主な変更内容②〜法人向け機能制限と招待可能人数の変更〜
今回の変更の目玉はこちら。
法人向けのプランで機能制限が入り、特にベーシックプランで大きな影響が生じます。
色々な機能制限が入りますが、主要なものを解説したいと思います。
配賦機能の制限(認定アドバイザーは引き続き利用可能)
配賦仕訳の作成、配賦基準の設定、配賦ルールの設定の3機能がベーシックプランから消えます。
部門別会計を行っている法人にとっては影響の大きな変更になるでしょう。
ただし、認定アドバイザーのアカウントについては制限なく利用可能ですので、認定アドバイザーと契約している法人については影響が限られることとなりました。
(ただし、会社側で管理していた場合は業務フローを変えるなど対応が必要です)
この機能を利用せずに部門別会計を行う場合、エクセルなどにエクスポートして加工して配賦仕訳を取り込むなどの対応が必要になります。
【NPOの場合の対応策】
特に、NPOはほぼ例外なく部門別会計を行う必要があるため、影響受ける法人も多いと思います。
ただ、NPOにおいてはNportを使うことで、決算の時点で部門の振り替えを行うことが可能です。
ただし、Nportの場合は仕訳としてfreeeに取り込む訳ではないので、freeeのデータ上は部門振替前のデータが残ることになります。
*Nportの詳細はこちら
認定アドバイザーがfreeeで配賦処理をするか、freeeでは配賦仕訳をせず、Nportに集約するかの二択になると思われます。
部門別試算表の一括エクスポート
こちらも部門別会計を行っている会社で影響があります。
現行のベーシックプランでは6部門以上であってもcsvで一括エクスポートが可能でした。
(5部門以下であればfreeeの画面上で確認できますし、ベーシックプランでも引き続きエクスポートが可能です)
変更後のベーシックプランでは6部門以上の一括エクスポート機能が利用できなくなるため、部門数の多い会社については対応が必要でしょう。
通常の試算表を部門表示で出力し、加工するなどが対応策になるでしょうか。
ここにチェックして試算表を出力すれば部門のタグが付いてエクスポートされます。
仕訳承認・仮締め(認定アドバイザーは引き続き利用可能)
例えば取引登録をする社員と、チェクする社員を分けている場合、これらの機能を使う場合があります。
仕訳承認は、承認者が承認したものが取引として登録されます。
また、仮締めは仮締めした期間の取引の修正が制限される機能です。
これらの機能は認定アドバイザーは引き続き利用可能ですので、ユーザーが仕訳を登録し、税理士がチェックするという関係性であれば問題なく利用できるでしょう。
一方で、社内でチェックまで完結している場合、対応を考えなければいけません。
ジャパンネット銀行 ワンタイム口座
マニアックな機能なので、使っている人は少ないとは思いますが・・・
ジャパンネット銀行にはワンタイム口座を作る機能があり、それとfreeeを連携することで入金の消し込みを自動化することができます。
詳細はこちらのページをご確認ください。
効果としては消し込みの自動登録ルールと近いですが、取引先ごとに口座を作るイメージなので、精度はこちらの方が高くなります。
変更後のベーシックプランではこの機能を利用できなくなります。
カスタム権限の設定(認定アドバイザーは引き続き利用可能)
freeeには「管理者」、「一般」、「取引登録のみ」、「閲覧のみ」というデフォルトの権限があります。
詳細は割愛しますが、管理者が一番多くの権限を持っており、他の権限になると利用できる機能が制限されていくイメージです。
ただ、これでは
・請求書の発行権限は与えるが、取引の登録はさせない
といったような会社の部署に応じた権限を与えたい場合に不都合が生じてしまいます。
そのような場合、カスタム権限機能を使って、機能ごとに権限を設定することで対応することができます。
経費精算や請求書発行など特定の機能を従業員に開放している場合には重宝する機能です。
*カスタム権限の詳細はこちらをご参照ください。
この機能を利用していた会社は、社内の業務フローの見直しや、請求書発行など一部の業務を別ツールに移してfreeeと連携させるなどの対応が必要になりそうです。
ただし、認定アドバイザーは引き続き利用可能ですので、税理士が権限設定などを行っていた場合は影響がありません。
他の機能制限など
変更後のベーシックプランではAPI連携のコール数が3000件/日に制限されます。
GASなどをフル活用して大量の仕訳を生成している場合は影響を受ける場合もあると思いますが、ほとんどのユーザーにとっては影響がないと思われます。
なお、当初の発表では制限がかかると言われていたものの、”消し込みの自動登録ルール”と”債権債務の年齢表”は変更後のベーシックプランに残ります!
消し込みの自動登録ルールはfreeeの概念である取引とセットで考えると必要不可欠な機能です。
今後も使えるようで安心しました。
なお、freeeでの「取引」の概念についてはこちらをご覧ください。
参考 【freee活用法】「未決済取引」が残っていませんか?〜未決済取引の消し込みを忘れずに〜ソーシャル税理士金子尚弘のページなお、法人向けプランは料金に変更予定はなく、金額は次のようになっています。
*freee公式サイトより転載
招待可能人数の枠が拡大
今回のプラン内容の変更で、ベーシックプランでは招待可能人数が拡大されました。
従来は19人までという上限がありましたが、変更後は20人以上の招待が可能となります。
そのため、経費精算の対象者が多いような場合でも、freeeに経費精算を集約することが可能になると思われます。
私の雑感
リライト前の記事では
プロフェッショナルプランになると金額が10倍になる
という部分が切り取られ、
freeeが10倍値上げ!
といった見出しで拡散されることとなりました。
(確かに、プロフェッショナルに移行すれば10倍になる訳ですが)
このように個人的な意見の一部分が切り取られる結果となり、freee関係者の方にはご迷惑をお掛けしてしまいました。
多忙な数日間を過ごさせてしまったことを申し訳なく思うとともに、真摯にご対応頂き一定の見直しをして頂い点について感謝しています。
ベーシックプランの想定ユーザーとして、社内でチェックが完結する層ではなく、税理士を含めたダブルチェック体制を取る層だと理解しています。
そういった意味では認定アドバイザーに一定の権限を付与している点について納得しています。
ただ、それでもベーシックとプロフェッショナルの差が大きい。
企業の成長は売上規模だけでなく内部統制や組織も伴ってのものですし、中小企業といっても一言では表せないほど多様な会社があります。
そういった意味では、税理士とのダブルチェックから内部完結へ移行する間のフェーズをどう拾って頂けるのか、今後のプラン改定に期待したいと思います。
やはり、ユーザー自身がfreeeを使いこなし活用するという理想像を考えると、ベーシックとプロフェッショナルの間にも何かしらのプランがあっても良いのではないかと思います。
(売上規模の割りに事務能力が高く、内部統制がしっかりしている企業もありますし)
freeeには「スモールビジネスを、世界の主役に」というコンセプトを変えずに進化して行くことを期待しています。
プレミアムは年額39,800円(年払いプランのみ)って書いてありますが、月額の誤りですか?
コメントありがとうございます。個人は年額39,800円の設定です。
分かりにくいかと思い、料金プランの画像も追加しておきました。
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