こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
事業をしていて「面倒なことランキング」をしたら上位にランクインするであろう税務調査。
経験された方にも、「まだ来たことないけど」という方にも知っておいて頂きたいことをまとめて行きます。
税務調査ってどんなもの?
税務調査とは、提出された申告書が正しいかなどをチェックするために、税務署の職員が会社に来て調査をするものです。
基本的な流れは
・会社の事業内容の説明(社長がする場合が多い)
・(工場などがあれば)現場確認
・帳簿や領収書などのチェック
・会社に対して質問
といったところです。
調査で特に間違いが見つからなければ「是認」(問題なし)、間違いがあれば修正申告を求められたり、「更正」(税務署が税額を決定する)されたりします。
中小規模の会社であれば、2〜4日程度で、来る調査官は2〜3人という場合が多いです。
法人の場合、以前は3〜5年に一度のペースで調査があることが多かったですが、最近では税務署員も人手不足で、調査の頻度は減って来ています。
税務調査の対処法
調査官からの質問への回答
税務調査官からの質問に対しては、どう答えるのが正解なのでしょうか?
基本的なスタンスは
・聞かれたことには正直に答える
・分からなければ「調べてから回答します」と言って、後日回答する
というところです。
やましいところがなければ、堂々と、正直に回答すれば良いのです。
また、人間だから記憶が曖昧なこともあるでしょう。そういう時は後日回答する形でも問題ありません。
普段からしておくべきこと
「社長、この支払いって何ですか?」
というように、支出の内容について調査官から説明を求められることがあります。
あれこれ聞かれやすいのは、
・無形のサービス(コンサルティングやアドバイス料など)
・飲食や贈答などの交際費
といったところでしょう。
調査官としては
・実態のない支払いではないか?
・家族と行った飲食費や個人的に使っているものではないか?
という目線でチェックしています。
「うちのことを疑っているのか!」と怒りたい気持ちも分かりますが、税務署員という職業柄仕方ないと思います。
そのため、交際費などの支出があれば、「誰と飲食をしたか」や「誰へプレゼントしたか」をメモしておくべきです。
自分で書いたメモであっても、何も書かれていないよりは説得力が増すというものです。
また、コンサルティング料などの支出についても、相談内容を文書で記録しておくことで、事業との関連性を証明することになるでしょう。
「知り合いの社長は調査で通った」は本当か?
税務調査では色々な都市伝説?があり、それが調査で揉める原因になったりすることも。
社長自身も「見付かったら突っ込まれるかも」と思いながらも、税務調査では特に指摘されず、ということもあったりします。
これに尾ひれが付いて「この節税策は税務署のお墨付き」なんて話が社長の間で広まることも…
「調査で指摘がないということは、認められた」と思うかもしれませんが、実際は調査官が見付けられなかっただけという場合がほとんどです。
税務調査は日数も限られていますし、全ての取引を漏れなくチェックすることは不可能です。
調査官は「見るべきポイント」を狙って調査しているので、目に留まらずスルーされる項目だってある訳です。
・調査官に説明して協議の上「問題なし」となったもの
と
・そもそも話題にもならなかったもの
は全く別物です。
社長とはいえ、税務調査については素人という場合がほとんどでしょうから、「これは大丈夫やったで」という話を鵜呑みにするのは止めた方が良いでしょう。
まとめ
日頃からきちんと経理をして、書類の整理もきちんとできていれば、税務調査を過度に恐れる必要はないでしょう。
また、知り合いの社長の「大丈夫だった」という言葉は割り引いて考えた方が良いでしょう。
そもそも経費性の有無も、事業内容や色々な状況によっても判断が変わります。
まわりがどうこうではなく、自社としてどう判断するのか、税理士とも相談しながらきちんと決めておくことが大切だと思います。
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