こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。
とあるお仕事で水質検査などを手掛けている会社へ伺った時のことを思い出しました。
色々なお話をしたのですが、水質検査という専門サービス業を営んでいるのですが、「専門家」としての価値をどう捉えるのかということを改めて考えています。
専門家の価値って、皆さん何だと思いますか?
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専門家の価値とは?
多くの仕事で自動化が進み、いわゆる「職人技」がなくても製品やサービスが成り立つことが多くなっていると思います。
水質検査などの業界も同じで、最新の検査機器を導入すれば、成分検査などはそれほど経験がなくても出来てしまう、とのこと。
これは税理士業界にも言えることで、中小規模の会社や個人事業であればそれほど深い知識がなくても決算書は出来上がります。
会計ソフトのお陰で、手書きで帳簿を付けていた頃の「経理職人」なんて今や必要なくなっています。(まさに絶滅危惧種でしょう)
「作り上げること」のハードルが下がった先に、専門家の価値はどこにあるんでしょうか?
その社長はこう言いました。
「検出されてはいけない成分が出たら、なぜそれが出るのか。どうしたら発生源を止められるかを考えることが腕の見せ所で、経験が効いてくるんだ。」
水質検査などは法令で義務付けられていて、自分から進んで検査に持ち込む人なんて皆無だそうです。
そんな中で、少しでも問題があった先に対して改善の処方箋を書けると喜ばれるし、そこが腕の見せ所だよね、と。
これ、会計業界にも繋がる話だな、と思うんです。
「決算なんて面倒だけど、年に一回は申告しなきゃいけないから。」
「税理士はちゃんと計算してくれればそれでいいんだよ。」
「安くやってくれればそれでいいから。」
などなど、カチンと来るような、無力感に襲われるような言葉を聞いたことは一度や二度ではありません。
そりゃ、税理士が勝手に粉飾や脱税をすることはないので、誰がやっても出来上がる決算書に大きな差はないでしょう。
(見る側のポイントを押さえた綺麗な決算書を作る人と、そうでない人はいますが・・・)
しかし、決算書から何が読み取れて、社長にどうフィードバックするかは税理士によって大きな差が出るところです。
申告後は決算書を持ってきて終わり、という税理士さんと付き合っているなら、それは勿体無いことかもしれません。
税理士を選ぶポイントは?
これは色々な意見があるので、正解はないのですが、私は自身のスタンスを決めるべきだと思います。
つまり、
・専門家としてお付き合いとするのか
・手間が掛かる仕事の外注先として捉えるのか
ということです。
専門家として付き合うのであれば、その税理士の得意分野は何なのかを中心に、人間的な相性なども考慮して選ぶべきだと思います。
一方で、経理事務の外注先といった位置付けにするなら、大部分は税理士事務所以外でもアウトソースが可能なので、コストも考えた上でどこに何を依頼するのかを検討すべきでしょう。
何が正解という訳ではないですが、年に一度の決算は必ずやって来ます。
決算という面倒な仕事を終わらせるだけで良いのか、終わった先に見える物を見せて欲しいのか。
まずは自分が何を求めているかを考えてみるのが第一歩でしょう。
これを考えなければ、ミスマッチが起こるのも仕方ないと思います。
改めて、税理士に対して自分が求めるものを考えてみてください。
まとめ
私の仕事のスタンスは、税務や会計の専門家としてクライアントのビジョンや方向性を共有しながら仕事をするというものです。
そのため、「作業の外注先」というスタンスの依頼は基本的にお断りしています。
単価も相場に比べればやや高いかもしれませんが、それは「作業代」以外の部分が含まれているからです。
事業がより良い方向に向かうようにビジョンを共有して、決算予測や資金繰りなど「少し先の未来」を見るお手伝いをしています。
このようなことに必要性を感じていなかったり、自社でできてしまう場合には私は必要ないでしょうし、自社にマッチする税理士さんを探せば良いと思うのです。
今の税理士さんは自分のニーズと合っていましたか?
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