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年末調整はなぜ必要か?〜年末調整の仕組みを解説します〜

こんにちは、ソーシャル税理士の金子(@innovator_nao)です。

サラリーマンの方にとって年末調整は「税金が返って来るイベント」で楽しみにしている方も多いかもしれません。

でも、年末調整って一体どういうものなのかを理解していますか?

この記事では、年末調整の仕組みやなぜ年末調整が必要なのかを解説します。

年末調整って一体何?

年末調整を一言で説明すると、「サラリーマンのための確定申告(簡易版)」です。

サラリーマンの方は、月々のお給料から所得税・復興特別所得税や住民税、社会保険料などが引かれてお給料が支払われています。

この引かれる所得税と復興特別所得税(給与から引くことを「源泉徴収」と言います)は

・お給料の額

・社会保険料の額

・扶養家族の人数

などを考慮して計算されています。

月々の源泉徴収税額はあくまでも仮計算ですし、賞与は給与の5ヶ月分支払われる前提で計算されています。「源泉徴収のあらまし」より)

このように、そもそも概算の金額で源泉徴収されているため、多くの場合は源泉徴収された税額と年間分の税額がズレることになります。

そのため、

①:正しい年間の税額を計算する

②:源泉徴収された金額と比較する

③:①と②の差額を精算する

という手順で年末調整を行います。

イメージはこんな感じですね。

どんな人が年末調整の対象になるか?

年末調整が必要な人は

・勤務先に扶養控除申告書を提出した人で、

・年末時点で在職している人

または

・12月に退職して12月の給与を受け取る人

です。

ただし、年間の給与額が2000万円を超える人は年末調整の対象外です。

(厳密には死亡退職や海外転勤などの場合にも年末調整を行いますが、ここでは省略します)

そのため、扶養控除申告書を提出していない人や、11月までに退職した人は年末調整を行いません。

扶養控除申告書とは

扶養控除申告書とは、勤務先に提出する書類で、その提出した会社で年末調整をすることになります。

2つ以上の会社で勤務する場合は、主な勤務先にしか提出できません。

扶養控除申告書は次のような書類で、自身や扶養親族などの情報を記載します。

この情報をもとに年末調整を行うため、間違いなく記載することはもちろんですが、収入の関係で扶養の対象外となった親族がいる場合には年末調整の際に訂正する必要があります。

年末調整で還付される人、追加徴収される人

月々の源泉徴収はあくまでも概算で、年間の税額を計算するとズレが生じることはご説明しました。

多くの人は還付された経験はあると思いますが、追加徴収されたという経験がある方は少数派かもしれません。

還付になる場合と、追加徴収(「不足」と言います)となる場合の仕組みを見てみましょう。

年末調整で還付になる場合

還付になるのは、

源泉徴収された税額>年末調整で計算した税額

となる場合です。

原因としては、月々の源泉徴収税額には生命保険料控除などは加味されていないため、年末調整で控除項目があれば多くの場合は還付になります。

例えば、年間12万円源泉徴収されていた人が年末調整で税額計算をして10万円だったら2万円が還付されることになります。

年末調整で追加徴収になる場合

還付になる場合と逆に、

源泉徴収された税額<年末調整で計算した税額

となれば源泉徴収不足となり、追加徴収されることとなります。

例えば、年間12万円源泉徴収されていた人が年末調整で税額計算をして15万円だったら源泉徴収が3万円不足していることになるため、追加徴収が必要になります。

「そんなことあるの?」と思われるかもしれませんが、

・年の途中で離婚して配偶者控除がなくなった

・子どもを扶養親族としていたが、アルバイトの収入が増えて扶養から外れた

・転職して給与水準が大幅に変動した

・賞与の支給が多かった

といったような方は、源泉徴収不足となり追加徴収される場合があります。

年末調整では税額計算が完了しない人

サラリーマンの多くは年末調整で年間の税額計算が終了するため、確定申告をする必要はありません。

しかし、次のいずれかに該当する人は自身で確定申告をする必要があります。

・医療費控除、セルフメディケーション税制

・ふるさと納税(ワンストップ特例を使わなかった人)

・雑損控除(盗難などの被害にあった人)

・住宅ローン控除の適用初年度の人

この他にも、年末調整の時に出し忘れた資料がある人などは、確定申告で改めて計算することが出来ます。

まとめ

今回は年末調整の仕組みを簡単に紹介しました。

・年末調整は「サラリーマンのための確定申告(簡易版)」

・月々の給料やボーナスの源泉徴収額はあくまでも概算

・概算の源泉徴収額と年間分の税額を年末調整で精算

・サラリーマンでも年末調整で終わらない人もいる

といったあたりをご理解頂ければと思います。

年末調整の計算を行う方は責任重大ですが、これからの年末調整シーズンを乗り切って行きましょう。

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