ふるさと納税の返礼品を制限する動きがある中で、新しいふるさと納税の試みも始まっています。
その一つがガバメントクラウドファンディング。
これは、自治体がプロジェクト主催者となるクラウドファンディングで、Ready for , ふるさとチョイスなどのサイトで紹介されています。
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ガバメントクラウドファンディングとは?
ガバメントクラウドファンディングですが、名前の通り自治体が行うクラウドファンディングです。
従来のふるさと納税でも使途を指定することもできましたが、過疎対策とか子育て支援とかざっくりとした使途がほとんどでした。
そのため、実際にその資金がどう使われたのか見守ることは難しかったのが実情です。
一方、ガバメントクラウドファンディングでは通常のクラウドファンディングと同様でプロジェクトが立ち上がり明確な使途が示されています。
例えば福島県の広野町は
地域医療を守るため原発事故後唯一留まった高野病院を支援します
としてガバメントクラウドファンディングを立ち上げ、目標額の350%を超える894万円を集めました。(プロジェクトは既に終了しています)
また、NPO法人カタリバと岡山県矢掛町が組んで
として西日本豪雨で被災した高校生への支援を呼びかけるガバメントクラウドファンディングを立ち上げています。
従来のふるさと納税と何が違うの?
従来のふるさと納税は返礼品がある場合がほとんどでしたが、ガバメントクラウドファンディングではプロジェクトを応援するという部分に焦点が当てられています。
プロジェクトに関連するお礼がある場合もありますが、従来の返礼品に比べれば金銭的な価値はかなり少ないものがほとんどです。
このようにお金の使い道に違いがありますが、税金面での取り扱いは従来のふるさと納税と全く同じです。
限度額はありますが、その範囲であれば実質的な負担は2000円という取り扱いは変わりません。
寄付にするか、ガバメントクラウドファンディングにするか
西日本豪雨など、今年は災害の多い年だったと思います。
実際に何かしらの寄付をしたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
寄付とガバメントクラウドファンディングで税制上どのような違いがあるのか整理してみましょう。
自治体への寄付
自治体へ直接現金を寄付した場合は、返礼品の有無に関わらずふるさと納税の扱いになります。
そのため、従来のふるさと納税、ガバメントクラウドファンディングと同じく、自信の所得税や住民税から控除を受けることができます。
まず、所得税では(寄付額ー2,000円)×自身の所得税率が所得税から差し引かれます。(①の税額控除は40%ですが、こちらは自身の所得税率によって変わります)
そして、所得税で控除されなかった部分(2,000円部分を除く)を自分の住民税から控除することができます。
赤十字や赤い羽根などの寄付
日本赤十字などの公益法人や赤い羽根共同募金、認定NPOなどへの寄付(特定寄付金と言います)であれば寄付金税額控除の適用を受けることができます。
この場合、(寄付額ー2,000円)×40%が所得税から控除されます(その年の所得税額の25%が限度です)。
例えば20,000円を寄付すれば、(20,000-2,000)×40%=7,200円が控除額となります。
ふるさと納税は住民税の控除もありますが、特定寄付金の場合は所得税の控除のみとなります。
*所得控除の制度もありますが、最高税率でなければ税額控除の方が有利になりますので、税額控除のみ掲載しています。
まとめ
限度額の範囲で行えば実質的な自己負担が2000円という制度そのものは変わっていませんが、今までの返礼品競争から一線を画した取り組みも増えて来ています。
ガバメントクラウドファンディングでも自身が住んでいる自治体の税収が減るという問題は残りますが、税金をどこに払うのかを自分で考える良いきっかけにはなるのはないでしょうか。
いわゆる市場の失敗をどう解決するのか、自治体の税収や国からの交付金以外の資金の集め方があっても良いのかな、と思っています。
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